大森徹の最強講義117講生物〈生物基礎・生物〉
編入試験の生物では、細胞分裂・遺伝子発現・生体膜など、基本概念の正確な理解が問われます。特に京都工芸繊維大学や鳥取大学医学部などの過去問では、テロメア、スプライシング、半保存的複製といった分子レベルのメカニズムが繰り返し出題される傾向にあります。本記事は、そうした頻出概念を体系的に学べる参考書の活用法をご紹介します。
この本の位置づけ
この本は、高校生物の基礎から大学編入レベルの応用まで、広い難易度帯をカバーしています。編入試験では高校範囲の完全な理解が前提となるため、基礎が不安定な受験生でも、各単元を講義形式で丁寧に再構築できる設計になっています。
他の参考書と異なり、この本は「講義」という形式で、なぜそのメカニズムが起きるのかという因果関係を重視しています。暗記に頼らず、概念の本質を理解することで、初見の問題にも対応できる思考力が養成されます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の準備を始める1年目の前期から中期にかけて、最初に取り組む参考書として活用するのが理想的です。基礎概念が固まっていない状態で過去問に進むと、解説を読んでも理解が進まず、時間ロスが生じます。
逆に直前期(試験3ヶ月前)に初めて学ぶと、概念の定着に時間がかかりすぎて、過去問演習に十分な時間が割けなくなる可能性があります。早期から段階的に読み進めることで、後の過去問演習がスムーズになります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
高知大学医学部
数学
頻出テーマ原基分布図、原基分布、伴性遺伝、二酸化炭素濃度、胚盤胞、細胞性免疫
本書の該当ページ原基分布図(p.231)、原基分布(p.231)、伴性遺伝(p.314)、二酸化炭素濃度(p.155)
生物化学
頻出テーマ光合成曲線、性決定、自然発生説、アデノシン、三胚葉、胚盤胞
本書の該当ページ光合成曲線(p.159)、性決定(p.311)、自然発生説(p.680)、アデノシン(p.98)
生物化学
頻出テーマ伴性遺伝、性決定、キイロショウジョウバエ、胚盤胞、生物濃縮、半保存的複製
本書の該当ページ伴性遺伝(p.314)、性決定(p.311)、キイロショウジョウバエ(p.305)、胚盤胞(p.266)
静岡大学農学部
生物化学
頻出テーマデオキシリボース、栄養分、外来生物、半保存的複製、極性移動、生存曲線
本書の該当ページデオキシリボース(p.324)、栄養分(p.196)、外来生物(p.672)、半保存的複製(p.332)
お茶の水女子大学理学部
数学化学生物
頻出テーマデオキシリボース、カルビン・ベンソン回路、血小板、システイン、有機酸、環形動物
本書の該当ページデオキシリボース(p.324)、カルビン・ベンソン回路(p.164)、血小板(p.465)、システイン(p.28)
旭川医科大学医学部
生物
頻出テーマ副腎皮質刺激ホルモン、細胞性免疫、酸素分圧、副腎皮質、酸素解離曲線、古細菌
本書の該当ページ副腎皮質刺激ホルモン(p.538)、細胞性免疫(p.489)、酸素分圧(p.470)、副腎皮質(p.538)
鹿児島大学医学部
生物医療・看護
頻出テーマ胚盤胞、三胚葉、染色体地図、独立の法則、免疫反応、酸素分圧
本書の該当ページ胚盤胞(p.266)、三胚葉(p.760)、染色体地図(p.304)、独立の法則(p.284)
秋田大学医学部
生物
頻出テーマ抗体産生、血小板、副腎皮質、視細胞、骨格筋、桿体細胞
本書の該当ページ抗体産生(p.483)、血小板(p.465)、副腎皮質(p.538)、視細胞(p.416)
大分大学医学部
生物医療・看護
頻出テーマ一次卵母細胞、卵形成、独立の法則、リンパ系、遺伝暗号、タンパク質合成
本書の該当ページ一次卵母細胞(p.205)、卵形成(p.205)、独立の法則(p.284)、リンパ系(p.522)
生物教育学
頻出テーマ二重膜、感覚神経、運動神経、完全連鎖、随意運動、効果器
本書の該当ページ二重膜(p.10)、感覚神経(p.407)、運動神経(p.407)、完全連鎖(p.300)
滋賀医科大学医学部
化学英語物理
頻出テーマ枯死量、一次消費者、純生産量、呼吸量、食物連鎖、最大速度
本書の該当ページ枯死量(p.656)、一次消費者(p.652)、純生産量(p.656)、呼吸量(p.656)
宇都宮大学農学部
生物
頻出テーマ自然発生説、節足動物、細胞体、静止電位、遺伝暗号、タンパク質合成
本書の該当ページ自然発生説(p.680)、節足動物(p.771)、細胞体(p.55)、静止電位(p.390)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず第1章から順に、講義部分を通読してください。図表が多いため、各メカニズムを視覚的に理解しながら進めます。特に細胞周期、減数分裂、DNA複製の3単元は図を何度も見返し、プロセスが脳に映像として浮かぶまで繰り返してください。
1回目の通読後、過去問で該当範囲が出題されている部分から始めます。過去問を解く際に理解が曖昧な部分があれば、本書に戻って該当講を確認する往復学習が効果的です。単元によっては、過去問で問われている視点が参考書と異なる場合があるため、解答解説と本書の記述を比較しながら読むと、出題者の視点が見えやすくなります。
注意点
この本は講義形式であるため、やや分量が多くなっています。全講を細部まで完璧に覚えようとするのではなく、編入試験で頻出の単元(細胞膜、DNA複製、細胞周期、遺伝子発現)に学習時間の7割を配分することをお勧めします。
掲載されている論点のうち、スプライシング、エキソン・イントロン、ヌクレオソームといった分子生物学的内容は、大学によって出題頻度に差があります。志望大学の過去問で問われていない単元に時間をかけすぎないよう、事前に出題傾向を確認してから学習を始めてください。




