憲法
法学系学部の編入試験では、憲法の基本的な仕組みと重要な判例をつなぎ合わせて論述できるかが問われます。特に違憲審査権や基本的人権、司法権といった単元では、制度の全体像を理解していないと個別の問題に対応できません。本書は編入試験の過去問で繰り返し出題される論点を体系的にカバーしており、憲法学の基礎を効率よく整理するのに適しています。
この本の位置づけ
本書は憲法の入門的な知識がある受験生から、一定の基礎力がある受験生向けの参考書です。高校での政治経済の学習経験がある方であれば、本書の内容を無理なく進められます。
他の参考書と異なり、本書は各章が短めに構成されており、人権の享有主体(p.12)、国会の仕組み(p.150)、司法権と違憲審査(p.183)といった各分野の基本を段階的に学べる設計になっています。編入試験で頻出の違憲審査権や平等権といった論点も、全体の流れの中で位置づけられているため、制度理解がしやすい特徴があります。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の勉強を始める初期段階から、遅くとも過去問演習の1~2ヶ月前までに一通り目を通すことをお勧めします。早期に導入すれば、その後の過去問分析で「どうしてこのルールが存在するのか」という背景理解が深まります。
反対に過去問演習を始めてから本書に取り組むと、細部の用語や判例を先に覚えてしまい、全体像の把握に時間がかかる可能性があります。また、試験直前期の導入は、基礎知識と応用的な過去問の結びつきを十分に築けないため避けた方が無難です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
神奈川大学法学部
憲法
頻出テーマ表現の自由、法の下の平等、外国人の人権、憲法14条、ヘイトスピーチ、人権侵害
本書の該当ページ外国人の人権(p.11)、法の下の平等(p.30)、憲法14条(p.35)
法学
頻出テーマ生存権、プログラム規定説、抽象的権利説、具体的権利説、堀木訴訟
本書の該当ページ抽象的権利説(p.109)、具体的権利説(p.109)、プログラム規定説(p.109)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
最初は第1章(人権の享有主体)から順番に読み進めることで、憲法全体の骨組みを把握してください。特に人権関連の章では、具体的権利説やプログラム規定説といった理論上の立場が何度も登場するため、その都度立ち止まって確認することが重要です。
一通り読み終わった後は、対象大学の過去問と照らし合わせながら復習します。例えば違憲審査権に関する問題を解いた際に、本書の該当部分を見直すといった往復学習を心がけてください。この時点で「尊属殺重罰規定違憲判決」や「ヘイトスピーチ」といった個別の判例は、過去問の中で詳しく学ぶことになります。本書はあくまで基礎の枠組みを固めるツールとして位置づけるとよいでしょう。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.12 第1章 人権の享有主体――生まれたときから持っているもの「マクリーン事件」がここで扱われています
- p.52 第6章「津地鎮祭事件」がここで扱われています
- p.59 第7章「東大ポポロ事件」がここで扱われています
- p.66 第8章「博多駅テレビフィルム提出命令事件」がここで扱われています
- p.103 第11章「弁護人依頼権」がここで扱われています
- p.127 第14章「権力分立」がここで扱われています
- p.150 第16章 国会の組織と活動――国会議員は逮捕されない?!「緊急集会」がここで扱われています
- p.183 第20章 司法権――裁判所にも判断できないことがある?「苫米地事件」がここで扱われています
注意点
本書の出版年を確認してから導入してください。古い版の場合、法改正や最新の判例動向が反映されていない可能性があります。特に人権侵害や公共の福祉に関する判例は、時間とともに最高裁判所の解釈が変わることがあるため注意が必要です。
また、本書は体系的な基礎学習に適していますが、対象大学の過去問で問われている具体的な判例の詳細(事件名、判決のポイント、その後の法改正など)までを網羅しているわけではありません。本書で制度の全体像を掴んだ後、必ず各大学の過去問を通じて実際の出題傾向と重要判例を確認することが合格への道筋となります。







