現場で使える教育社会学 教職のための「教育格差」入門 中村 高康 ,松岡 亮二
教育社会学は、編入試験で頻出の社会階層やジェンダー、外国人労働者といった現代社会の問題と深く関わっています。しかし、教育現場の具体的な事例なしに理論だけを学ぶと、過去問で問われている現実的な問題設定に対応できません。本書は「教育格差」を切り口に、学校現場での実際の出来事を通じて、社会学的な視点を身につけられる構成になっています。
この本の位置づけ
本書は、社会学の基礎知識がある程度ある受験生を想定しています。社会学系の学部志望で、統計データや理論書で学んだ概念を、教育現場の事例によって深める必要がある段階の学生に適しています。
他の教育社会学の参考書と異なる点は、学校内での具体的な場面設定(総合学習、進路指導、教師の経験など)を軸に論点を展開していることです。これにより、明治大学文学部や関西大学社会学部の過去問で繰り返し問われている「現代社会」「ジェンダー」「社会階層」といった概念が、教育の現場でどのように機能しているのかが理解しやすくなります。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
志望学部の過去問分析で、教育現場における社会問題の出題パターンを確認した後、導入することをお勧めします。編入試験の準備が本格化する時期(おおむね編入試験の6〜8ヶ月前)が目安です。
早すぎる時期に読むと、理論的な基盤が不十分なため、具体事例の社会学的な意味を拾い上げられません。逆に遅すぎると、過去問演習の中で都度、本書で補強する時間が限定的になります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず目次から志望学部の過去問に頻出している論点(社会階層、ジェンダー、外国人労働者など)に関連する章から読み始めることをお勧めします。各章は事例の紹介から社会学的な解釈へと進むので、自分がどの段階で社会学的な読解ができているか確認しながら読み進めてください。
読みながら、その章で扱われている事例と社会学の概念のつながりを、ノートに簡潔にまとめることが有効です。その後、過去問で同じ論点が問われている問題を解き、本書で学んだ視点がどう機能するかを確認する往復学習が効果的です。
教育現場の事例が中心であるため、教育学的な背景知識がない場合は、学部の教科書や講義資料で基本的な用語(総合学習、進路指導など)を先に確認しておくと、より理解が深まります。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.24 第1章 総合学習は死んだか?「主体的・対話的で深い学び」がここで扱われています
- p.47 第2章 「ふつうの教育」は人によって違う「21世紀出生児縦断調査」がここで扱われています
- p.72 第3章 井の中の蛙?「少人数学級」がここで扱われています
- p.84 第4章 「ふつう」の高校生活「学習到達度調査149学歴」がここで扱われています
- p.109 第5章 教師が忘れない,ある日の出来事「臨時的任用教員」がここで扱われています
- p.146 第6章 ある若者の選択「スクールソーシャルワーカー」がここで扱われています
- p.160 第7章 高校時代を思い出してみよう「社会的文脈」がここで扱われています
- p.173 第8章 非行少年を排除する学校「非行サブカルチャー論」がここで扱われています
注意点
本書は実践的な事例提示に重点を置いているため、社会学の理論体系全般をカバーしているわけではありません。社会階層論やジェンダー論の基本的な理論書は別途、準備しておく必要があります。
また、教育現場の事例は日本の学校制度を前提としているため、比較教育学や異文化教育など、より広い視野を要求する問題には直接的には対応しない可能性があります。志望学部の過去問で、本書の事例タイプがどの程度出題されているか、事前に確認してから導入することが重要です。







