基本憲法 1 木下 智史 ,伊藤 建
憲法の編入対策では、判例の考え方や学説の違いを理解できずに失点する受験生が多くいます。特に基本的権利がどの範囲まで保障されるのか、立法府がどの程度の裁量を持つのかといった点は、過去問で繰り返し問われる重要な論点です。本書は、こうした憲法の基礎的な考え方と判例を体系的に学べる教科書として、筑波大学や奈良女子大学といった編入試験で頻出の論点をカバーしています。
この本の位置づけ
本書は憲法学の初学者から中級者向けの教科書です。個別の判例や学説の対立構造を詳しく解説しており、単なる知識の暗記ではなく「なぜそのような判断がされたのか」という思考過程を学べるよう構成されています。 他の入門的な憲法参考書と比べると、プログラム規定説と具体的権利説の違い、あるいは抽象的権利説といった複数の学説が並立している論点について、より丁寧に説明される傾向にあります。編入試験の論述問題では、こうした学説の相違を理解していることが評価される点で、本書の詳しさが活きてきます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
憲法の対策を開始してから1〜2ヶ月の時期に導入するのが目安です。この段階では、基本的な条文や原則をすでに一度学んだ後で、より深い理解を目指すのに適しています。 もし対策の初期段階で本書から始めると、概念の多さと複雑性で学習が停滞する可能性があります。逆に、過去問演習が進んだ後に導入すると、問題の背景にある考え方が整理でき、それまでの学習が結びつく効果が期待できます。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
法学
頻出テーマプログラム規定説、抽象的権利説、具体的権利説、朝日訴訟、堀木訴訟
本書の該当ページ堀木訴訟(p.270)、抽象的権利説(p.268)、具体的権利説(p.268)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
本書は通読型の教科書ですので、第1章から順番に読み進めることをお勧めします。朝日訴訟や堀木訴訟といった判例が登場する際には、「この判例はどのような問題を扱い、どのような基準で判断されたのか」に注目して読み進めてください。 読了後は、筑波大学や奈良女子大学の過去問を解く際に、本書で学んだ学説や判例の名前が問題に出てきたら、本書に戻って該当部分を確認する使い方が有効です。このように往復することで、理論と問題演習が結びつきます。また、憲法13条や14条といった条文を用いた問題では、本書の該当箇所を参照しながら答案を作成することで、より正確な論述ができるようになります。
注意点
本書は教科書であり、個別の編入試験の出題傾向に完全に合わせた構成にはなっていません。筑波大学や奈良女子大学で繰り返し問われている立法裁量や喫煙の自由といった論点が、どの程度詳しく扱われているかは、購入前に目次や試し読みで確認することをお勧めします。 また、本書だけで過去問の全ての問題に対応できるとは限りません。過去問で出題された判例や学説が本書に載っていない場合は、その都度判例集や他の参考書で補足する準備をしておくと良いでしょう。







