刑法総論 = CRIMINAL LAW GENERAL PART 内田 幸隆,杉本 一敏
刑法総論は編入試験でよく出題される分野ですが、構成要件、違法性、責任という基本的な枠組みの理解が不十分だと、応用問題に対応できません。本書は刑法の基礎となる総論分野の重要概念を、体系的に整理した参考書です。
この本の位置づけ
本書は刑法総論の基礎から応用まで、段階的に学べる標準的なレベルの教材です。構成要件該当性、故意、違法性、実行共同正犯など、総論の主要論点をカバーしており、基礎知識がある程度ある受験生向けの内容となっています。
他の刑法総論教材と比べ、本書は各論点がどのような問題設定で問われるのかを意識しながら学習を進められる構成になっています。ただし、編入試験の過去問データから見ると、特定の大学・学部で頻出とされる論点との連携は限定的です。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
刑法総論の全体像を掴んだ後、各論点を深掘りする段階で導入するのが効果的です。具体的には、基本的な刑法の入門書で「犯罪とは何か」という大枠を理解した後に、本書で構成要件や故意といった個別論点を学ぶ流れが望ましいです。
早すぎる段階で使用すると、体系的な理解が追いつかず、各章が独立した知識として残りやすくなります。逆に過去問演習を開始した後に初めて触れると、応用的な問題への対応に時間がかかる可能性があります。
使い方
本書は目次の大項目ごと(構成要件該当性、故意、違法性、実行共同正犯など)に、一つの論点として完結するよう設計されています。最初から順番に読み進めるのではなく、自分の苦手な論点から選んで学習することが可能です。
各章を読んだ後は、その論点に関連する過去問を探し出して、実際の試験問題でどのように問われるかを確認する学習サイクルが効果的です。本書で理論的背景を理解してから過去問に当たることで、解答の根拠が明確になります。
繰り返しになりますが、本書は全章を通して学ぶというより、特定の論点について深く学びたいときの参考書として位置づけるのが現実的な活用方法です。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.3 構成要件該当性 ────●
- p.28 (1) 客観的構成要件要素
- p.77 CHAPTER3 故意「具体的符合説」がここで扱われています
- p.111 違法性の意義 ―――――――――――――――――――――●「違 法」がここで扱われています
- p.132 (2) 質的過剰
- p.151 CHAPTER5 違法性「社会的相当性」がここで扱われています
- p.186 (1)意味の認識
- p.223 実行共同正犯の成否 ────────●
注意点
本書に掲載されている編入試験の過去問分析データが、当社の過去問データベースと一致していません。つまり、本書の内容が編入試験で実際に頻出しているかどうかを、十分に検証できていない状況です。参考書として使用する際には、必ず志望大学の過去問と照らし合わせ、実際に問われている論点かどうかを確認してください。
出版年が記載されていないため、判例や法改正への対応状況が不明な点も注意が必要です。必要に応じて、より最近の参考書や予備校の教材と組み合わせて使用することをお勧めします。本書単独で編入対策を完結させるのではなく、補助教材として位置づけることが重要です。







