漆原の物理明快解法講座 物理基礎・物理
編入物理試験では、力学から電磁気、熱力学まで幅広い分野が出題され、特に「なぜそうなるのか」という原理の理解が問われます。本記事は、大学編入を目指す受験生が陥りやすい「公式の丸暗記」から抜け出し、物理現象の本質を捉える学習法を提案します。本書『漆原の物理明快解法講座』は、その名の通り解法の道筋を明確にすることで、複数分野の融合問題にも対応できる土台づくりを支援します。
この本の位置づけ
本書は、高校物理の内容を一通り学んだものの、問題を見ると何をしてよいかわからなくなる受験生向けです。基礎概念はあるが、それを実際の問題にどう適用するかが曖昧な段階での使用を想定しています。 他の標準的な解法本との違いは、単なる計算手順ではなく「この条件のとき、なぜこの式を立てるのか」という思考プロセスを丁寧に展開している点です。特に状態方程式や運動量保存、エネルギー保存則といった編入試験で頻出の重要分野では、現象と式の対応を明確に示すため、応用問題への転用が容易になります。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
導入時期は、高校物理の全単元を一度は学習し終わった大学1年の秋冬、または短大・高専での基礎物理を終えた直後が目安です。この時点で基礎知識がある程度定着しているため、解法の論理構造を追うのに適しています。 早すぎる段階(1年春など基礎学習の途中)で使うと、個別の単元理解が不十分なため、解法の明快さを活かせません。逆に遅すぎる導入(編入試験6ヶ月前など)の場合、過去問演習に充てる時間が減るリスクがあります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
物理数学
頻出テーマファラデーの法則、力のつりあい、つりあい、楕円軌道、ばね定数、等加速度運動
本書の該当ページファラデーの法則(p.241)、力のつりあい(p.23)、つりあい(p.19)、楕円軌道(p.90)
物理
頻出テーマはねかえり係数、ファラデーの法則、断熱変化、静止摩擦、電圧降下、楕円軌道
本書の該当ページはねかえり係数(p.69)、ファラデーの法則(p.241)、断熱変化(p.128)、静止摩擦(p.29)
高知大学医学部
数学
頻出テーマファラデーの法則、波の式、光の干渉、断熱変化、光電効果、仕事とエネルギー
本書の該当ページファラデーの法則(p.241)、波の式(p.145)、光の干渉(p.183)、断熱変化(p.128)
数学物理化学
頻出テーマ静止摩擦、力の大きさ、平行移動、運動量保存則、振り子、誘導起電力
本書の該当ページ静止摩擦(p.29)、力の大きさ(p.241)、平行移動(p.146)、運動量保存則(p.69)
物理英語
頻出テーマファラデーの法則、断熱変化、等加速度運動、屈折率、力のモーメント、ピストン
本書の該当ページファラデーの法則(p.241)、断熱変化(p.128)、等加速度運動(p.9)、屈折率(p.172)
物理化学
頻出テーマつりあい、断熱変化、楕円軌道、ばね定数、力のモーメント、円軌道
本書の該当ページつりあい(p.19)、断熱変化(p.128)、楕円軌道(p.90)、ばね定数(p.105)
滋賀医科大学医学部
物理
頻出テーマ静止摩擦、ばね定数、定常波、等加速度運動、屈折率、オームの法則
本書の該当ページ静止摩擦(p.29)、ばね定数(p.105)、定常波(p.152)、等加速度運動(p.9)
京都工芸繊維大学工芸科学部
物理
頻出テーマ断熱変化、定常波、ばね定数、自由端、固定端、力のモーメント
本書の該当ページ断熱変化(p.128)、定常波(p.152)、ばね定数(p.105)、自由端(p.191)
名古屋工業大学工学部
物理
頻出テーマファラデーの法則、楕円軌道、等加速度運動、円軌道、垂直抗力、振り子
本書の該当ページファラデーの法則(p.241)、楕円軌道(p.90)、等加速度運動(p.9)、円軌道(p.88)
お茶の水女子大学理学部
数学物理
頻出テーマ等加速度運動、ばね定数、力のモーメント、垂直抗力、万有引力、ローレンツ力
本書の該当ページ等加速度運動(p.9)、ばね定数(p.105)、力のモーメント(p.29)、垂直抗力(p.76)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
使い方は、まず自分が苦手と感じている分野(例:熱力学の状態方程式、電磁気のローレンツ力など)の該当箇所を目次から探し、解法の流れを読み進めます。重要なのは、計算結果よりも「どの物理量に着目したか」「どの保存則を使ったか」という判断根拠をノートに写すことです。 1冊を通読するのではなく、週1~2分野のペースで掘り下げ学習することをお勧めします。その後、類似の過去問(京都工芸繊維大学や大阪大学などの工学部過去問)を解き、本書で学んだ解法パターンが実際にどう活かされるか検証します。この往復を繰り返すことで、初見問題への対応力が高まります。
注意点
本書の出版年が比較的前のものの場合、最新の入試傾向との齟齬が生じる可能性があります。掲載されている解法が時代遅れではないか、過去問と照らし合わせて確認してください。 もう一点、本書はあくまで「解法の論理」を教える本であり、問題数は限定的です。そのため本書を終えた後の過去問演習がきわめて重要になります。また、β崩壊や半減期といった原子物理分野については、本書の解説だけでなく、大学ごとの過去問傾向を別途調べることをお勧めします。




