演習しよう力学 これでマスター!学期末・大学院入試問題 松永 悟明,須田 裕介,鈴木 久男
本記事は、編入試験で力学を受験する皆さんに向けた参考書レビューです。力学は極座標系やラグランジアンなど、高度な概念を使いこなす必要がある科目ですが、これらを実際の問題でどう適用するかがつかみにくいと感じる受験生は多いです。本書は、筑波大学・大阪公立大学・神戸大学など複数の難関大編入試験で出題されている論点を、演習を通じて習得できる構成になっています。
この本の位置づけ
本書は、高校物理の範囲を超えた力学を学び、編入試験レベルの問題に対応できる計算力を身につけたい受験生向けです。既に基礎的な力学の概念(運動方程式、エネルギー保存など)を理解している1年生後期~2年生が対象となります。
同じく力学の参考書と比べると、本書は演習問題を豊富に掲載することが特徴です。理論の解説よりも「問題を解く経験」を重視した構成になっており、合格者の体験談でも「演習問題が多い」「2周解いた」と言及されています。ラグランジアンや角運動量といった編入頻出の高度な論点について、問題を通じて理解を深めたい場合に有効です。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
本書の導入は、大学の講義で力学の基礎を習い終えた時点(通常は1年生の秋~冬)から始めるのが目安です。この時期に演習を積むことで、学んだ概念を確実に自分のものにできます。
もし導入が早すぎると、解説不足の部分で手が止まってしまう可能性があります。逆に導入が遅すぎると、編入試験までに問題を複数周解く時間が確保できず、計算の定着が不十分なまま試験を迎える恐れがあります。遅くとも1年生の終わりまでには手をつけることをお勧めします。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
物理
頻出テーマ連成振動、平行軸の定理、加速度ベクトル、剛体の回転運動、調和振動、基準振動
本書の該当ページ連成振動(p.124)、平行軸の定理(p.140)、加速度ベクトル(p.26)、剛体の回転運動(p.138)
物理数学化学
頻出テーマ双曲関数、連成振動、剛体の回転、重力場、調和振動、調和振動子
本書の該当ページ双曲関数(p.15)、連成振動(p.124)、剛体の回転(p.138)、重力場(p.38)
数学物理生物
頻出テーマラグランジアン、連成振動、平行軸の定理、剛体の回転、円筒座標、中心力
本書の該当ページラグランジアン(p.194)、連成振動(p.124)、平行軸の定理(p.140)、剛体の回転(p.138)
東京農工大学工学部
数学
頻出テーマ2階常微分方程式、平行軸の定理、剛体の回転、重力場、円筒座標、調和振動
本書の該当ページ2階常微分方程式(p.11)、平行軸の定理(p.140)、剛体の回転(p.138)、重力場(p.38)
数学物理
頻出テーマ力の釣合、双曲関数、運動学、空気抵抗、回転軸、速度ベクトル
本書の該当ページ力の釣合(p.32)、双曲関数(p.15)、運動学(p.21)、空気抵抗(p.46)
大阪公立大学工学部
物理情報
頻出テーマ力の釣合い、剛体の回転、力の釣合、剛体の回転運動、回転軸、重ね合わせ
本書の該当ページ力の釣合い(p.32)、剛体の回転(p.138)、力の釣合(p.32)、剛体の回転運動(p.138)
物理英語数学
頻出テーマ剛体の回転、調和振動、運動学、力学的エネルギー保存、回転軸、常微分方程式
本書の該当ページ剛体の回転(p.138)、調和振動(p.210)、運動学(p.21)、力学的エネルギー保存(p.72)
お茶の水女子大学理学部
数学物理
頻出テーマ連成振動、運動学、中心力、ハミルトニアン、常微分方程式、エネルギー保存則
本書の該当ページ連成振動(p.124)、運動学(p.21)、中心力(p.87)、ハミルトニアン(p.206)
英語
頻出テーマサイクロイド曲線、剛体の回転、運動学、回転軸、常微分方程式、力のモーメント
本書の該当ページサイクロイド曲線(p.189)、剛体の回転(p.138)、運動学(p.21)、回転軸(p.138)
物理数学
頻出テーマ平行軸の定理、質点の運動、力学的エネルギー保存則、エネルギー保存則、回転運動、力のモーメント
本書の該当ページ平行軸の定理(p.140)、質点の運動(p.87)、力学的エネルギー保存則(p.72)、エネルギー保存則(p.72)
京都工芸繊維大学工芸科学部
物理数学
頻出テーマ基準振動、調和振動、質点の運動、重ね合わせの原理、力学的エネルギー保存、エネルギー保存則
本書の該当ページ基準振動(p.124)、調和振動(p.210)、質点の運動(p.87)、重ね合わせの原理(p.12)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
本書の使い方は、まず目次や章立てを確認し、大学の講義で習った単元から順に進めることです。各章で扱われている問題を、解答を見ずに自力で解くことを心がけてください。計算過程で詰まった場合は、そこまでの途中式を何度か書き直し、どこで誤ったのかを特定する練習になります。
1周目を解き終えた後は、編入試験の過去問と本書の問題を往復させてください。過去問で似た論点が出題されたら、本書に戻ってその単元の問題を再度解く、という反復がお勧めです。合格者の事例にもあるように、2周以上解くことで計算方法がより確実に身につきます。
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
演習問題が多いので、学んだことのアウトプットに使用しました。
神戸大学 工学部 合格(2026年度) / 物理学
力学の演習書として使用し、2周解いた。
広島大学 理学部 合格(2025年度) / 物理
注意点
本書の出版年が確認できないため、掲載されている問題のレベルや出題傾向が現在の編入試験と完全に一致しているかは、事前に志望大学の過去問で確認してください。
本書は演習問題を重視した構成のため、理論的な背景や導出過程の詳しい解説は限定的である可能性があります。ラグランジアンや中心力といった高度な概念について理論から学びたい場合は、別途で講義系の参考書を併用することをお勧めします。また、本書でカバーされていない力学分野(例えば相対論的効果など)が志望大学で出題される場合もありますので、過去問分析を通じて補完する必要があります。




