現代実定法入門 第3版
法学系の編入試験では、民法・刑法・行政法など複数の法律分野が出題されることが多いのですが、それぞれの法律がどのような場面で機能するのかを体系的に理解することが難しいと感じる受験生が少なくありません。本書は、法律の種類や実生活との結びつきを整理することで、個別の法律学習の土台を作る手助けができます。
この本の位置づけ
本書は法律を初めて学ぶ人向けの入門書です。高度な法律論点の解説ではなく、取引・事故・犯罪などの生活場面ごとに、どの法律がどのように関わるかを広く浅く説明しています。
一般的な法律入門書は法の成り立ちや制度論に重点を置きますが、本書は「実定法」、つまり実際に存在する個々の法律がどのような局面で適用されるかに焦点を当てているため、民法・刑法・行政法といった各分野を学ぶ前の準備段階として機能します。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の法学系科目の勉強を始める前段階、あるいは複数の法律分野を同時に学び始める時期に導入することが効果的です。各法律の全体像をつかんでから個別分野の参考書に進むことで、学習の効率が高まります。
逆に、すでに民法や刑法の詳しい参考書で学習を進めている段階で本書を読むと、既知の内容が多く感じられて時間が有効活用できない可能性があります。また、試験直前期に初めて手にするのでは、全体像の把握が本試験に間に合わない恐れがあります。
使い方
本書は目次の各章が独立しているため、自分が学習する法律分野に関連した章から読み始めても構いません。民法を学ぶ時期には「第6章 取引と法」と「第7章 事故と法」、刑法を学ぶ時期には「第10章 刑罰と法」というように、段階的に読み進める方法もあります。
各章で紹介される法律の仕組みを読んだ後、その分野の詳しい参考書に進むという使い方が効果的です。本書だけで編入試験に対応することはできませんので、あくまで基礎理解の補助的な位置付けにとどめ、その後の専門的な学習へのつなぎとして活用してください。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.43 第2章 法の種類「行政裁量」がここで扱われています
- p.110 第6章 取引と法「強行規定」がここで扱われています
- p.125 第7章 事故と法「道路交通法」がここで扱われています
- p.149 第8章 権利の実現手続「債務名義」がここで扱われています
- p.187 第10章 刑罰と法「違法性阻却事由」がここで扱われています
- p.202 第11章 刑罰の実現手続「自白法則」がここで扱われています
- p.231 第12章 規制行政と法「義務付け訴訟」がここで扱われています
- p.243 第13章 給付行政と法「社会保険料」がここで扱われています
注意点
本書は第3版となっていますが、出版年を確認した上で導入してください。法律は改正されることがあるため、出版年が古い場合は現在の法制度と異なる内容が含まれている可能性があります。
本書はあくまで「入門書」であり、編入試験で問われるような深い法律知識や判例・学説の解釈については扱われていません。また、当社の過去問分析では、この本が対策になる大学・学部や繰り返し問われている論点は確認されていないため、受験する大学の出題傾向に合わせて、より専門的な参考書の使用を優先させる必要があります。







