化学一問一答 完全版
化学の編入試験では、知識問題と計算問題が混在して出題されます。特に無機化学や有機化学の基礎知識は、複雑な問題を解くための土台になるため、ここでつまずくと得点を落としやすくなります。本書は一問一答形式で、化学平衡、酸化還元、電気分解など編入試験に頻出の論点を体系的に整理できます。
この本の位置づけ
本書は化学の基礎知識を短時間で確認したい受験生向けです。滋賀医科大学医学部、筑波大学医学部、お茶の水女子大学生活科学部などの過去問で繰り返し問われている論点をカバーしており、これらの志望者には特に有効です。
一問一答形式という特徴から、通常の教科書や問題集と比べて「ある論点について、その知識が身についているか」を素早く判定できます。化学反応式、構造式、金属イオンの検出といった暗記項目を効率よく復習する際に役立ちます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
導入は準備期間の中盤以降が目安です。先に教科書や参考書で各分野の概要をつかんでから、本書で知識を確認・補強するという流れがスムーズです。早すぎると問題の意味が理解しにくく、効果が限定的になる可能性があります。
逆に過去問演習が始まったあとに導入すると、計算問題や応用問題への対応が手薄になる恐れがあります。本書は知識確認のツールなので、過去問で出た計算ミスや理解不足を補う際の参照書として使うのが効果的です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
高知大学医学部
数学
頻出テーマ体積、ハロゲン元素、二酸化硫黄、トリプシン、気体の捕集法、計算問題
本書の該当ページ体積(p.53)、ハロゲン元素(p.242)、二酸化硫黄(p.238)、トリプシン(p.395)
生物化学
頻出テーマ電離、麦芽糖、体積、無水フタル酸、アミラーゼ、エステル化
本書の該当ページ電離(p.27)、麦芽糖(p.368)、体積(p.53)、無水フタル酸(p.315)
お茶の水女子大学理学部
化学数学
頻出テーマハロゲン元素、電離、デオキシリボース、炭水化物、酸化鉄、双性イオン
本書の該当ページハロゲン元素(p.242)、電離(p.27)、デオキシリボース(p.397)、炭水化物(p.356)
化学数学生物
頻出テーマ体積、無水フタル酸、電離平衡、置換反応、エステル化、ニトロ化
本書の該当ページ体積(p.53)、無水フタル酸(p.315)、電離平衡(p.156)、置換反応(p.332)
滋賀医科大学医学部
物理化学
頻出テーマ体積、ビニロン、二酸化ケイ素、モノマー、反応、溶解度積
本書の該当ページ体積(p.53)、ビニロン(p.409)、二酸化ケイ素(p.222)、モノマー(p.412)
茨城大学理学部
化学数学
頻出テーマ溶解度積、アンモニア水、還元性、同素体、結晶構造、燃焼エンタルピー
本書の該当ページ溶解度積(p.173)、アンモニア水(p.184)、還元性(p.369)、同素体(p.59)
弘前大学医学部
物理数学
頻出テーマアンモニアソーダ法、無機化学、電離平衡、酸化鉄、置換反応、等電点
本書の該当ページアンモニアソーダ法(p.208)、無機化学(p.210)、電離平衡(p.156)、酸化鉄(p.107)
琉球大学医学部
生物小論文医療・看護
頻出テーマ熱運動、エステル化、置換反応、等電点、ニトロ化、フェノール類
本書の該当ページ熱運動(p.22)、エステル化(p.318)、置換反応(p.332)、等電点(p.379)
愛媛大学医学部
物理化学
頻出テーマ電離、エステル化、電離平衡、脱水縮合、電気陰性度、飽和蒸気圧
本書の該当ページ電離(p.27)、エステル化(p.318)、電離平衡(p.156)、脱水縮合(p.368)
化学物理
頻出テーマ体積、17族元素、エステル化、大気圧、理想気体、マレイン酸
本書の該当ページ体積(p.53)、17族元素(p.242)、エステル化(p.318)、大気圧(p.43)
北里大学医学部
英語
頻出テーマ物質の三態、酸化鉄、単糖、多糖、理想気体、大気圧
本書の該当ページ物質の三態(p.40)、酸化鉄(p.107)、単糖(p.364)、多糖(p.375)
東京海洋大学海洋生命科学部
化学物理
頻出テーマアミラーゼ、ニトロ化、理想気体、電気陰性度、同位体、ファンデルワールス力
本書の該当ページアミラーゼ(p.393)、ニトロ化(p.332)、理想気体(p.48)、電気陰性度(p.77)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
最初は通読ではなく、自分が不安な分野から始めるのをお勧めします。例えば電気分解や酸化還元に自信がない場合は、該当ページを開いて問題に答える形で進めます。一度で完璧に覚えようとせず、同じ論点を数日おきに繰り返すことが重要です。
過去問に取り組む中で「この反応、なぜこうなるんだろう」という疑問が生じたときに、本書の該当ページを参照して確認する使い方も効果的です。例えば第11章の水素とアルカリ金属のページ(p.217)や第12章の鉄のページ(p.248)は、無機化学の頻出反応が掲載されているため、過去問演習と並行して活用できます。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.48 第3章 気体/蒸気圧計算/実在気体「理想気体」がここで扱われています
- p.77 第4章 結晶の種類「電気陰性度」がここで扱われています
- p.107 第6章 電池・ボルタ電池・ダニエル電池「酸化鉄」がここで扱われています
- p.185 第9章 金属イオンの検出(沈殿)「トランス形」がここで扱われています
- p.190 第10章 気体の製法「硫化水素H2S」がここで扱われています
- p.217 第11章 水素とアルカリ金属(1族元素)「溶融塩電解」がここで扱われています
- p.248 第12章 鉄「ニッケル Ni」がここで扱われています
- p.268 第13章 有機化合物の分類と官能基「ソーダ石灰」がここで扱われています
注意点
本書は知識確認に特化しているため、計算を伴う問題への対応は限定的です。気体の計算(p.48)や蒸気圧計算などは載っていますが、編入試験の計算問題全般をカバーしているわけではありません。計算問題については別途、計算問題集や過去問で練習が必要です。
また、本書だけでは有機化学の反応機構(マルコフニコフ則、付加反応など)の深い理解が得られにくい点にも注意してください。有機化学の反応メカニズムを理解するには、より詳しい参考書との組み合わせが効果的です。




