大学教養線形代数 加藤 文元
線形代数は編入試験で頻出ですが、抽象的な概念が多いため、理解が曖昧なまま問題演習に進んでしまう受験生が多くいます。本書は教養段階の線形代数を体系的に解説した参考書で、基礎から応用まで段階的に学べる構成になっています。
この本の位置づけ
本書は大学1年生レベルの線形代数を学ぶ受験生向けです。理学系・工学系の編入試験に対応した内容となっており、数学が得意でない受験生でも理解しやすいよう配慮されています。
他の線形代数参考書と比べると、本書は教科書的なアプローチで、各概念の定義から定理の証明まで丁寧に扱っている点が特徴です。問題演習に重点を置いた参考書とは異なり、理論の理解を重視した構成になっています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
本書を導入するのは、編入試験の準備を始めた初期段階、特に線形代数の基礎固めが必要な時期が最適です。1年生の秋冬から2年生の春にかけて、過去問演習の前に利用するのが効果的です。
もし準備期間が限定的であれば、本書で全範囲を学ぶのではなく、苦手な単元に絞って活用することになります。逆に試験まで時間がある場合も、本書の理論重視のアプローチで基礎を固めることで、後の問題演習がスムーズになるメリットがあります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
数学物理
頻出テーマ重複度、対角行列、行列の性質、必要十分条件、基底変換、行列の階数
本書の該当ページ重複度(p.372)、対角行列(p.338)、行列の性質(p.406)、必要十分条件(p.202)
数学生物
頻出テーマ線形写像の表現、基底変換、標準基底、グラムシュミット、必要十分条件、十分条件
本書の該当ページ線形写像の表現(p.248)、基底変換(p.273)、標準基底(p.273)、グラムシュミット(p.297)
数学物理
頻出テーマ行列の性質、対角行列、固有多項式、必要十分条件、解空間、ベクトル積
本書の該当ページ行列の性質(p.406)、対角行列(p.338)、固有多項式(p.336)、必要十分条件(p.202)
お茶の水女子大学理学部
数学
頻出テーマ固有値問題、固有多項式、実対称行列、最小多項式、基底変換、固有空間
本書の該当ページ固有値問題(p.390)、固有多項式(p.336)、実対称行列(p.340)、最小多項式(p.367)
数学英語
頻出テーマ行列の性質、行列の演算、基本行列、固有値問題、必要十分条件、行列の階数
本書の該当ページ行列の性質(p.406)、行列の演算(p.8)、基本行列(p.67)、固有値問題(p.390)
電気通信大学情報理工学域
数学
頻出テーマ必要十分条件、固有多項式、基底変換、行列の階数、単位行列、正則行列
本書の該当ページ必要十分条件(p.202)、固有多項式(p.336)、基底変換(p.273)、行列の階数(p.108)
信州大学理学部
数学
頻出テーマ固有空間、ベクトル積、正則行列、行列の対角化、変数変換、正規直交基底
本書の該当ページ固有空間(p.336)、ベクトル積(p.317)、正則行列(p.76)、行列の対角化(p.338)
数学物理
頻出テーマ重複度、固有値問題、固有空間、ベクトル積、変数変換、行列の積
本書の該当ページ重複度(p.372)、固有値問題(p.390)、固有空間(p.336)、ベクトル積(p.317)
数学
頻出テーマ重複度、単位行列、正則行列、行列の対角化、方程式の解、多項式
本書の該当ページ重複度(p.372)、単位行列(p.76)、正則行列(p.76)、行列の対角化(p.338)
岡山大学理学部
数学
頻出テーマ行基本操作、行列の性質、必要十分条件、固有空間、行列の階数、正則行列
本書の該当ページ行基本操作(p.69)、行列の性質(p.406)、必要十分条件(p.202)、固有空間(p.336)
数学
頻出テーマ固有多項式、必要十分条件、正則行列、行列の対角化、変数変換、逆行列
本書の該当ページ固有多項式(p.336)、必要十分条件(p.202)、正則行列(p.76)、行列の対角化(p.338)
新潟大学理学部
数学
頻出テーマ生成系、固有空間、正則行列、行列式の計算、変数変換、行列の積
本書の該当ページ生成系(p.186)、固有空間(p.336)、正則行列(p.76)、行列式の計算(p.130)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
本書は章立てに沿って順番に読み進めることをお勧めします。各章で新しい概念が導入されるため、飛ばし読みすると後の章の理解に支障が出る可能性があります。
章末の問題に取り組むことで、その章の理解度を確認してください。解いた後は、間違った問題については該当ページに戻って解説を確認する習慣をつけます。ある程度本書で基礎が固まった後、志望大学の過去問に挑戦し、必要に応じて本書に戻って確認するという往復学習も有効です。
注意点
本書の出版年が古い可能性があるため、購入前に版が最新か確認することをお勧めします。近年の編入試験で扱われている内容との差異がないか、志望大学の過去問で確認しておくとより安心です。
本書は理論説明に重点を置いているため、計算スピードが必要な試験対策としては、別途に問題集を用意して演習量を確保する必要があります。また、目次を確認できなかったため、志望学部の出題傾向に対して必要な章がすべて含まれているか、事前に確認してから導入してください。




