基礎電磁気学 電磁気学マップに沿って学ぶ 細川 敬祐
電磁気学は、場の概念や対称性を理解しないまま公式暗記に頼ると、問題設定が変わると手も足も出ない科目です。編入試験では、クーロンの法則やビオ・サバールの法則といった基本原理から、荷電粒子の複雑な運動まで、体系的な理解を求められます。本書は「電磁気学マップ」という全体構造を明示することで、個々の現象がどこに位置するかを意識しながら学べるため、暗記ではなく理解を軸にした学習が可能になります。
この本の位置づけ
本書は、高校物理の発展レベルから大学初年度レベルの電磁気学を学ぶ受験生向けです。特に物理系・工学系学部の編入試験で繰り返し出題される基礎概念を、体系的に習得することをねらいとしています。
他の電磁気学入門書との最大の違いは、「マップ」という可視化された全体像を提供する点にあります。クーロンの法則や磁束密度、ビオ・サバールの法則といった個別の公式が、電磁気学全体の中でどのように関連しているのかを把握できるため、後で類似問題に遭遇した際に応用しやすくなります。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の対策は通常、大学2年の秋冬以降が本格化します。その前段階、つまり大学1年次の終わり〜大学2年の春から夏にかけて、本書を使って基礎を固めておくのが理想的です。これにより、秋以降の実践的な問題演習の時間を十分に確保できます。
もし導入が遅すぎて試験直前になった場合、全体像を習得する時間不足から、部分的な対応に留まり、予想外の出題形式に対応できなくなるリスクがあります。逆に導入が早すぎた場合でも、基礎の定着期間が長くなるため、その後の実践演習への乗り換えが円滑であれば問題ありません。
ターゲット大学と対策できるテーマ
過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
物理
頻出テーマ磁気エネルギー、発散・収束、電荷の流れ、導体の性質、ファラデーの電磁誘導の法則、荷電粒子の運動
本書の該当ページ磁気エネルギー(p.116)、発散・収束(p.97)、電荷の流れ(p.58)、導体の性質(p.46)
物理数学その他
頻出テーマ円柱座標、アンペアの法則、サイクロトロン運動、伝導電流、平行平板コンデンサ、同軸ケーブル
本書の該当ページ円柱座標(p.7)、アンペアの法則(p.100)、サイクロトロン運動(p.72)、伝導電流(p.126)
物理数学化学
頻出テーマファラデーの電磁誘導の法則、サイクロトロン運動、単位長さあたり、荷電粒子の運動、体積積分、電磁気学
本書の該当ページファラデーの電磁誘導の法則(p.108)、サイクロトロン運動(p.72)、単位長さあたり(p.119)、荷電粒子の運動(p.72)
東京農工大学工学部
数学
頻出テーマ伝導電流、同軸ケーブル、平行平板コンデンサ、電磁気学、クーロン力、角周波数
本書の該当ページ伝導電流(p.126)、同軸ケーブル(p.102)、平行平板コンデンサ(p.52)、電磁気学(p.150)
数学物理
頻出テーマ体積積分、電磁気学、クーロン力、電荷密度、ビオ・サバールの法則、変位電流
本書の該当ページ体積積分(p.23)、電磁気学(p.150)、クーロン力(p.70)、電荷密度(p.13)
名古屋工業大学工学部
物理
頻出テーマ導体の性質、クーロン力、自由電子、導体表面、自己インダクタンス、時間変化
本書の該当ページ導体の性質(p.46)、クーロン力(p.70)、自由電子(p.63)、導体表面(p.47)
物理英語
頻出テーマファラデーの電磁誘導の法則、電気伝導度、クーロン力、ビオ・サバールの法則、角周波数、自己インダクタンス
本書の該当ページファラデーの電磁誘導の法則(p.108)、電気伝導度(p.63)、クーロン力(p.70)、ビオ・サバールの法則(p.82)
新潟大学理学部
物理数学
頻出テーマ単位長さ、閉回路、体積積分、電荷密度、クーロンの法則、オームの法則
本書の該当ページ単位長さ(p.119)、閉回路(p.100)、体積積分(p.23)、電荷密度(p.13)
英語
頻出テーマ平行平板コンデンサ、平行平板、角周波数、時間変化、ガウスの法則、線積分
本書の該当ページ平行平板コンデンサ(p.52)、平行平板(p.52)、角周波数(p.73)、時間変化(p.124)
金沢大学理工学域
数学物理
頻出テーマ体積積分、電荷密度、クーロンの法則、面積分、静電エネルギー、ガウスの法則
本書の該当ページ体積積分(p.23)、電荷密度(p.13)、クーロンの法則(p.14)、面積分(p.23)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
最初は目次やマップの全体構造を眺めて、電磁気学がどのような章立てになっているかを俯瞰しましょう。その後、第1章から順に読み進めますが、1冊を通読する際には「なぜこの概念が必要なのか」を常に意識することが大切です。
1周目は理解を優先し、式の導出やマップ内での位置づけを確認しながら進めます。2周目以降は、具体的な問題演習に移り、実際の編入問題を解く中で「このビオ・サバールの問題は、本書のこのページの考え方が使える」という接続を意識してください。本書の図表や説明に立ち返る癖をつけることで、暗記ではなく応用力が育ちます。
過去問との往復については、試験出題機関(北海道大学、九州工業大学など)の過去問で出た概念が本書のどのページに該当するかをマーキングすることをお勧めします。これにより、どの分野に時間をかけるべきかが明確になります。
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
YouTubeの解説講義に対応した参考書で、理解に専念して本を3周した。本の内容がYouTubeと同じなので効果的だった。
神戸大学 工学部 合格(2026年度) / 物理学
注意点
本書を学習する際は、YouTube解説講義の対応状況を確認しておくと、理解がさらに深まる可能性があります。ただし、参考書単体での学習でも、マップの構造化により十分理解は進みます。
電磁気学の計算では線電荷密度や対称性の利用が重要ですが、本書がこれらをどの程度の深さで扱っているかは、事前に該当ページを確認することをお勧めします。また、編入試験の過去問には大学院入試レベルの難度の問題が含まれることもあるため、本書で基礎を習得した後、さらに高度な参考書や問題集への接続も視野に入れておきましょう。




