政治学の第一歩 = INTRODUCTION TO POLITICAL SCIENCE 砂原 庸介,稗田 健志 ,多湖 淳
政治学系の編入試験では、民主主義や政党システム、政治体制といった基礎概念が繰り返し問われます。しかし、高校政治経済とは異なる学問的な枠組みで政治現象を分析する必要があり、独学では概念を整理しきれない受験生も多いです。本書は政治学の基礎的な理論と分析枠組みを体系的に解説するため、編入試験で求められる「政治学的思考」の土台を築くのに役立ちます。
この本の位置づけ
本書は政治学を初めて学ぶ学生を対象に書かれており、高専や短大からの編入受験生、あるいは政治学専攻ではない学部からの受験生に適しています。政治学の基本用語や理論家(ダール、サルトーリなど)を丁寧に紹介しているため、前提知識がない状態からのスタートが可能です。
他の政治学入門書と異なり、本書は単なる制度説明にとどまらず、比較政治学的なアプローチを組み込んでいます。筑波大学や日本大学の過去問で頻出の「政党システム」「政治体制の比較」といった論点が複数章にわたって扱われており、編入試験の出題傾向に合致した構成になっています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入対策を本格化させる準備段階(編入予定の1年前~8か月前)で導入することを推奨します。過去問に取り組む前に、この本で政治学の基本概念を習得することで、試験問題に出てくる理論や用語の意味を正確に理解できるようになります。
これより早く導入しても知識が定着しにくく、逆に過去問対策を始めてから導入すると、個別の問題に対応するのに時間がかかってしまいます。準備期間が限られている場合は、第3章(政治体制)、第5章(政党と政党システム)から優先的に学ぶと効率的です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
近畿大学大学院全学部
政治学
頻出テーマ政党システム、民主主義体制、ポピュリズム、ダール、サルトーリ
本書の該当ページ政党システム(p.97)、ダール(p.43)、民主主義体制(p.43)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まずは第1章から順番に読み進め、政治学における基本的な考え方の違いを把握してください。その後、志望大学の過去問で頻出の章(例:筑波大学志望なら第3章と第5章)を重点的に読み返すことで、概念の理解を深めます。
読む際は、各章で登場する理論家の名前と主張を整理するために、簡潔な用語表を手書きで作成することをお勧めします。これが後の過去問演習で、問題文に出てくる理論家の思想をすぐに思い出すための補助となります。
ページ数は限定的なため、通読に1~2週間程度で完了させ、その後は過去問の中で不明な概念が出てくるたびに該当ページに戻って確認するという往復学習を繰り返すのが効果的です。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.17 第1章 政治のとらえ方「囚人のジレンマ」がここで扱われています
- p.29 第2章 国家という枠組み「破綻国家」がここで扱われています
- p.43 第3章 政治体制「自由民主主義」がここで扱われています
- p.72 第4章 選挙と投票「単純小選挙区制」がここで扱われています
- p.97 第5章 政党と政党システム
- p.120 第6章 政権とアカウンタビリティ「ウィンセット」がここで扱われています
- p.136 第7章 執政・立法・司法「委員会制度」がここで扱われています
- p.155 第8章 政策過程「レント・シーキング」がここで扱われています
注意点
本書は2016年の出版であり、政治学の基本概念は変わっていませんが、国際政治の動向(例:ポピュリズムの台頭)については、最新の時事問題と組み合わせて学ぶ必要があります。近年の編入試験では現代的な政治現象への理解も問われるため、この本で基礎を固めた後、新聞やニュース解説で事例を補充してください。
また、本書は広く政治学全般を扱うため、志望大学院の専門分野によっては深掘りが不足する可能性があります。例えば、近畿大学大学院など大学院への編入を目指す場合は、本書後に専門的なテキストを並行して学ぶ計画を立ててください。







