電磁気学 金原 粲 ,梶谷 剛,濱島 高太郎,塚田 啓二
電磁気学は編入試験の物理で最頻出分野ですが、ガウスの法則やファラデーの法則など複数の法則を同時に理解し、問題に応じて使い分ける必要があるため、多くの受験生がつまずきます。本書は電磁気学の基礎から応用まで体系的に解説しており、名古屋工業大学や大阪大学などの主要工学系大学の編入試験で繰り返し出題される論点をカバーしています。
この本の位置づけ
本書は大学初年度の物理学科や工学科で使用される標準的な教科書で、電磁気学をゼロから学ぶ受験生から、基礎を固め直したい受験生まで対応できます。丁寧な説明と多角的なアプローチが特徴です。 同じ編入対策で使われる他の電磁気学の参考書と比べると、本書は理論的な基礎の構築により重点を置いており、ガウスの法則、アンペールの法則、ファラデーの法則といった基本法則の導出過程を重視しています。これにより、応用問題での法則の使い分けが明確になります。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入受験勉強の開始から6~7ヶ月前、つまり対策開始の初期段階から導入することをお勧めします。編入試験の電磁気学は高校物理との内容のギャップが大きく、早期からの積み重ねが得点につながりやすいためです。 逆に試験3ヶ月前から本格的に始めると、複雑な計算や多数の法則習得に時間がかかり、過去問演習にまわす時間が不足する可能性があります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
物理数学その他
頻出テーマ平行板コンデンサ、単位長さあたり、透磁率、単位長さ、角振動数、位相差
本書の該当ページ平行板コンデンサ(p.92)、単位長さあたり(p.135)、透磁率(p.151)、単位長さ(p.135)
物理
頻出テーマ円形コイル、角振動数、平行平板、比誘電率、位相差、分極電荷
本書の該当ページ円形コイル(p.102)、角振動数(p.211)、平行平板(p.49)、比誘電率(p.86)
名古屋工業大学工学部
物理
頻出テーマ抵抗率、磁気回路、クーロン力、導体表面、電束密度、自己インダクタンス
本書の該当ページ抵抗率(p.19)、磁気回路(p.154)、クーロン力(p.37)、導体表面(p.64)
数学物理
頻出テーマ電磁気学、クーロン力、電荷密度、等電位面、変位電流、時間変化
本書の該当ページ電磁気学(p.9)、クーロン力(p.37)、電荷密度(p.77)、等電位面(p.63)
物理化学
頻出テーマ単位長さあたり、電磁気学、電荷密度、クーロン力、変位電流、時間変化
本書の該当ページ単位長さあたり(p.135)、電磁気学(p.9)、電荷密度(p.77)、クーロン力(p.37)
大阪公立大学工学部
物理
頻出テーマ静電力、透磁率、変位電流、合成抵抗、電流密度、インピーダンス
本書の該当ページ静電力(p.95)、透磁率(p.151)、変位電流(p.222)、合成抵抗(p.32)
京都工芸繊維大学工芸科学部
物理化学
頻出テーマ静電力、クーロン力、断面積、アンペールの法則、インピーダンス、位置エネルギー
本書の該当ページ静電力(p.95)、クーロン力(p.37)、断面積(p.19)、アンペールの法則(p.113)
茨城大学理学部
数学物理
頻出テーマ角振動数、電磁気学、電荷密度、クーロン力、導体球、電気力線
本書の該当ページ角振動数(p.211)、電磁気学(p.9)、電荷密度(p.77)、クーロン力(p.37)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
最初は第1章から順番に読み、各法則の定義と導出をノートに手書きして整理することをお勧めします。特にガウスの法則、ビオ・サバールの法則、ファラデーの法則は図を描きながら理解することが重要です。 一通り読み終わった後、志望先の過去問を見て、出題されている単元(交流回路、インダクタンス、誘電体など)に絞って該当ページに戻り、例題を繰り返し解きます。過去問で頻出のブリッジ回路やキルヒホッフの法則を使う問題は、本書の該当セクションと過去問を3往復程度することで確実な理解につながります。 計算が必要な問題では、途中式を省かず全て手で計算し、単位の確認も毎回行うことで計算ミスを減らせます。
注意点
本書の出版年が明示されていないため、確認の上導入してください。電磁気学は理論が古い学問ですが、最新版であることを確認してから購入することが望ましいです。 本書は理論解説が詳しい反面、問題数は比較的少ないため、計算練習量が不足する可能性があります。本書だけでなく、問題集との並行使用や過去問演習を早めに開始して、計算量を確保してください。 また、本書は直流回路と交流回路の両方を扱っていますが、無効電力や複素インピーダンスなど交流回路の高度なトピックについては、志望先の出題傾向に応じて追加の参考資料が必要になることもあります。




