入試現代文へのアクセス 基本編
編入試験の現代文では、評論文に登場する抽象的な概念や歴史的背景を理解できるかが得点を左右します。しかし、予備知識がないまま問題に臨むと、著者の主張の核心を見落としやすくなります。本書は現代文に頻出するキーワードと文学史の基礎知識を体系的に解説しており、読解の下地を整える手助けができます。
この本の位置づけ
本書は、高校の現代文学習の基礎段階から編入対策の入門期までを想定した参考書です。現代文の語彙力や背景知識が不足していると感じる受験生に向いており、特に文系学部への編入を目指す方の初期段階での活用が考えられます。
同じく基礎段階の参考書の中では、本書は「現代文のキーワード」という専門用語の解説と、「自然主義文学」や「パラドックス」といった古典的な文学概念の両立を試みています。現代文の語彙と文学史知識を並行して学びたい受験生にとって、一冊で複数の領域をカバーできる構成になっています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入対策を始める1年目の初期段階、具体的には過去問演習を本格化させる前の準備期間に導入するのが効果的です。編入試験まで6か月以上の時間がある時点で、1~2ヶ月かけてじっくり読み進めるのに適しています。
もし編入試験まで3か月を切った段階で導入すると、基礎知識の習得に時間をとられすぎて、過去問演習と復習のサイクルに乗りにくくなる可能性があります。逆に、対策開始直後に本書を軽視して過去問に飛び込むと、語彙や背景知識の不足で読解の精度が上がりにくい状態が続くことになります。
使い方
本書は目次の「p.100 現代文のキーワード テキスト(テクスト)」や「p.168 現代文のキーワード 近代化」といった用語解説から始めるのが無理のない流れです。各キーワードは1ページ~数ページの簡潔な説明に留まっているため、一度読んだら、その後の過去問演習で同じ概念が出現した際に本書に立ち戻り、理解を深める使い方が有効です。
「p.145 自然主義文学」や「p.155 パラドックス(逆説)」のような文学史や修辞法の項目は、編入試験の評論文に登場する背景知識として機能します。過去問を読むときに、特定の著者や思想が繰り返し現れた場合、本書でその背景を補強することで、次の過去問演習がより深い理解につながります。
ただし、本書の記述だけでは過去問の応用問題を解ききることは難しいため、基礎知識の習得後は必ず過去問演習に移行し、実際の出題パターンの中で知識を活かす訓練が不可欠です。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.100 現代文のキーワード **テキスト(テクスト)**
- p.145 自然主義文学 (しぜんしゅぎぶんがく)
- p.155 パラドックス(逆説)(ぎゃくせつ)
- p.168 現代文のキーワード 近代化
注意点
本書の出版年が比較的古い時点では、編入試験で出題される現代の評論文や新しい思想的トレンドへの対応に限界がある可能性があります。古い版を使う場合は、補助的な資料で最新の出題傾向をカバーする工夫が必要です。
本書は基礎段階の知識習得に特化しており、編入試験で出題される長文読解の技法(段落構成の分析、問題文との対応関係の把握など)や、大学別の出題パターンへの対応は含まれていません。したがって、本書を読むだけでなく、その後に問題演習型の参考書や過去問分析へ進むことが、合格への道筋として重要になります。
また、本書が「人文学系」に分類されている点から、理系学部への編入を目指す受験生にとっては優先度が低い可能性があります。自分の志望学部の出題傾向を確認した上で、活用を判断してください。







