手を動かしてまなぶ微分積分 藤岡 敦
微分積分は編入試験の数学で最頻出の分野ですが、特に多変数関数の扱いや重積分の計算で行き詰まる受験生が多くいます。本書は「手を動かしてまなぶ」というタイトル通り、計算を通じて微分積分の概念を定着させる参考書です。理学系・工学系の編入試験で繰り返し問われる論点を、実際に手を動かすことで習得できます。
この本の位置づけ
本書は基礎から応用へ段階的に学ぶ受験生向けの参考書です。高校の微積分から大学レベルの多変数関数・重積分へ無理なく進める構成になっており、編入試験で必要とされる計算技法を網羅しています。
通常の講義型の参考書と異なり、計算問題を解くプロセス自体が学習の中心になっています。極座標変換やヤコビアンなど、編入試験で頻出しながら多くの参考書では説明が不足しがちな論点を、具体的な計算を通じて理解できるため、過去問演習への準備段階として有効です。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の数学対策を始める最初の3~4ヶ月の間に、この本で基礎から応用までの流れを一通り学ぶことをお勧めします。試験まで6ヶ月以上ある段階で導入すれば、計算の反復を十分に積む時間が取れます。
もし試験の3ヶ月以内の導入になった場合、計算量が多いため演習に時間がかかり、過去問演習の開始が遅れる可能性があります。逆に、すでに過去問で失点が続いている段階での導入は、計算の基礎を確認し直す意味で効果的ですが、時間効率を考えると、該当分野に絞った学習になります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
茨城大学理学部
数学
頻出テーマ多変数関数、多変数関数の極限、多変数関数の連続性、線形変換、極座標、極座標変換
本書の該当ページ多変数関数の連続性(p.147)、多変数関数の極限(p.138)、多変数関数(p.138)、不等式(p.109)
近畿大学建築学部
数学
頻出テーマ部分分数分解、ロピタルの定理、余弦関数、合成関数の微分、級数展開、有理関数の積分
本書の該当ページ余弦関数(p.54)、ロピタルの定理(p.58)、級数展開(p.86)
お茶の水女子大学生活科学部
数学
頻出テーマ無限大、ロピタルの定理、対数関数
本書の該当ページ無限大(p.13)、ロピタルの定理(p.58)、対数関数(p.12)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
最初は1章から順に読み進め、各セクションの計算例を自分で紙に書き出すことが重要です。ただし読み込むだけでなく、計算の各ステップを自分の手で再現してください。
一通り終わった後は、編入試験の過去問で出題されている重積分や極座標変換などの分野に戻り、本書で学んだ計算手法を適用する練習をします。特に置換積分やヤコビアンを使った計算は、本書で理解した後に過去問で同じ手法がどう問われるかを確認することで、実戦的な力が身に付きます。
計算の細部で詰まった時には、本書の該当ページに戻って計算方法を確認する使い方が効果的です。
注意点
本書は計算プロセスを丁寧に扱う一方で、厳密な理論的証明は限定的です。編入試験で「なぜこの計算が成り立つのか」を問う問題が出た場合、本書だけでは不足することがあります。理論的な背景が必要と感じた場合は、別途で解析学の参考書を補助として使用してください。
また、本書は計算量が多い参考書のため、既に微積分の基礎が定着している場合は、選別して該当分野のみを学習する方法もあります。自分の学習段階に合わせて、全体を学ぶか、苦手な分野に絞るかを判断してください。







