民法2 物権
民法の物権分野は、所有権の移転時期や取得時効など、法律関係の成立時点を問う問題が頻出します。編入試験では、これらの判断基準を正確に理解していることが求められます。本書は物権の基礎から応用までを段階的に解説しており、物権分野の全体像を把握したい受験生に適した参考書です。
この本の位置づけ
本書は民法の物権分野を総合的に学ぶための標準的な教科書です。物権序論から始まり、所有権の移転時期や取得時効、用益物権まで、物権に関する主要な論点をカバーしています。基礎知識がある程度ある受験生が、体系的に理解を深めるのに向いています。
他の民法教科書と比べて、本書は物権分野に特化しており、一つの分野について詳しく学べる点が特徴です。各論点について具体的な事例を通じて説明されているため、抽象的な概念を把握しやすくなっています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
民法の学習全体の中では、民法総則の基本を一通り終えた後に導入することをお勧めします。一般的には大学1年生の後期から2年生の前期に学習を進める時間的余裕があれば、じっくり取り組むことができます。
物権分野は他の民法分野と関連する部分が多いため、総則をおろそかにしたまま本書に進むと、前提知識が不足して理解が進みません。逆に編入試験の直前期に初めて本書で学習を始めると、体系的な理解が深まらないまま過去問演習に移る可能性があります。
使い方
まずCHAPTER1の物権序論を読んで、物権全体の位置づけを理解してから、各論点に進むことをお勧めします。所有権の移転時期(p.66)と取得時効(p.144)は特に重要な論点なので、丁寧に読み込み、ページ内の事例で理解を確認してください。
一度通読した後は、大学の過去問で物権に関する出題を見かけたとき、該当するページを参照して知識を整理する辞書的な使い方が効果的です。特に登記請求権や用益物権といった実務的な論点は、過去問を解く際の参照ツールとして活用すると良いでしょう。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.1 CHAPTER1 物権序論「財産権」がここで扱われています
- p.32 CHAPTER3 物権の効力「対抗要件主義」がここで扱われています
- p.66 物権変動の時期(所有権の移転時期)
- p.144 所有権の取得時効と時効取得
- p.190 中間省略登記請求権
- p.238 設備設置権・設備使用権とは
- p.257 (2) 持分権の放棄
- p.317 用益物権
注意点
本書は教科書であり、編入試験対策の実戦的な問題集ではありません。そのため、過去問で出題される形式の問題を解く力を養うには、別途に過去問演習が必須です。本書の知識を押さえた後、大学の過去問に当たることで、初めて試験対応力が身につきます。
また、民法は判例や学説が頻繁に更新される分野です。本書の出版年を確認した上で、より新しい法解釈が試験に反映されていないか、願書を取り寄せた大学の開示情報で確認することをお勧めします。物権分野は基本的に大きな変化は少ないですが、登記制度については改正される可能性があるため注意が必要です。







