演習力学 今井 功 ,高見 穎郎 ,高木 隆司
力学は編入物理の中でも頻出分野ですが、極座標や角運動量、剛体の回転運動など、高校物理を超えた内容が出題される大学が多くあります。本書は大学レベルの力学を体系的に演習する参考書で、筑波大学・大阪公立大学・九州大学など多くの編入試験で繰り返し問われている論点をカバーしています。
この本の位置づけ
本書は大学初年度の物理学科・工学科向けの教科書で、すでに高校物理の基礎(運動方程式、エネルギー)を理解している受験生を想定しています。ただし、完全な初学者には難しすぎるため、高校物理か別の入門参考書で基本を固めてから取り組むことをお勧めします。
演習を通じて力学を学ぶスタイルが特徴です。同じ著者による標準的な力学教科書が別にあるのに対し、本書は問題演習と詳しい解説で大学レベルの概念を身につけることに重点を置いています。編入試験で要求される、単なる公式適用ではなく背景にある物理的な意味を理解する力が養えます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
高校物理の復習を終えた後、具体的には編入対策開始から2ヶ月目以降の段階で導入するのが適切です。力学は他分野(電磁気、熱・波動)の基礎になるため、これらの学習に先立って取り組みましょう。
あまり早く始めると、高校物理との概念のギャップに戸惑い、モチベーション低下につながる可能性があります。逆に対策期間の終盤に初めて手をつけると、十分な反復時間が確保できず、試験直前に焦ることになります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
物理物理学
頻出テーマ極座標系、中心力、極座標、速度ベクトル、重心座標、エネルギー保存
本書の該当ページ重心座標(p.93)、平面運動(p.104)、位置エネルギー(p.40)、基準振動(p.77)
大阪公立大学工学部
一般力学(質点・剛体の運動、振動)
頻出テーマ慣性モーメント、微小振動、回転運動、摩擦力
本書の該当ページ慣性モーメント(p.94)、微小振動(p.31)、回転運動(p.87)、摩擦力(p.51)
近畿大学生物理工学部
物理
頻出テーマ相対速度、力と運動、運動量保存則、力のモーメント、慣性モーメント、内部エネルギー
本書の該当ページ力と運動(p.14)、運動量保存則(p.14)、慣性モーメント(p.94)
島根大学医学部
物理
頻出テーマ運動量保存則、運動量保存
本書の該当ページ運動量保存則(p.14)、運動量保存(p.14)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず自分の対策予定表で、力学にどれだけの時間を割けるか見通しを立ててください。その上で、本書の演習問題を章ごとに解き、わからない問題は解説を読んで概念を確認するというサイクルを回します。1周目は全章を一通り解くことで、大学レベルの力学全体の構成をつかむことが大切です。
2周目以降は、志望大学の過去問と照らし合わせながら、頻出論点(極座標、角運動量、剛体回転など)に絞った演習に移行するとよいでしょう。体験記にもあるように、時間的余裕があれば全章を2周以上解くのが理想ですが、制約がある場合は自分の弱い分野を優先的に反復してください。
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
体験記で多くの人が使っていたため選択。時間がなかったので剛体分野だけを2周したが、1冊目にやるのはおすすめしない。
東京大学 工学部 合格(2026年度) / 物理
2周全部解いた。
東京大学 工学部 合格(2026年度) / 物理
注意点
本書の出版年が確認できていないため、掲載されている問題形式や出題傾向が現在の編入試験と完全には一致していない可能性があります。特に古い版を入手した場合は、章立てや解説の詳しさに差がないか事前に確認してから購入をお勧めします。
合格者の体験記では「1冊目にやるのはおすすめしない」というコメントがある通り、本書は大学教科書的な難度の書籍です。高校物理の復習がまだ十分でない場合は、より基本的な参考書を先に終わらせてから取り組んでください。また、本書は力学に特化しているため、電磁気や熱・波動などの他分野対策は別途参考書が必要になります。







