はじめての政治学〔第4版〕 佐藤 史郎,上野 友也,松村 博行
編入試験の政治学では、民主主義や政治体制、メディアの影響といった基礎概念が繰り返し出題されます。しかし参考書によっては、理論的背景を軽視して用語だけを並べているものも多く、出題者が求める「概念の理解」に達しにくいことがあります。本書は政治学の基本概念を体系的に解説しているため、過去問で問われる論点を根本から理解する足掛かりになります。
この本の位置づけ
本書は政治学をはじめて学ぶ受験生を想定した入門書です。用語の定義から始まり、理論の成り立ちや背景を丁寧に説明しているため、独学で政治学に取り組む方に適しています。
同じ入門レベルの他書と異なり、本書は「なぜその概念が生まれたのか」という歴史的文脈に重きを置いています。全体主義やイデオロギー、プライミング効果といった、編入試験で問われやすい論点について、その成立背景と現代的意義の両方を学べる構成になっています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入受験を決めた初期段階(編入予定の1年以上前)から読み進めることをお勧めします。政治学の全体像を把握してから過去問に取り組むことで、出題の意図がより明確に見えるようになります。
逆に試験直前に初めて読むと、内容が多すぎて消化しきれない可能性があります。また、すでに過去問を解いている場合は、不正解の理由を理解するために本書の該当章を遡るという使い方も有効です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
政治学・国際関係
頻出テーマ全体主義、イデオロギー、マスメディア、アメリカ政治、政治体制、政治制度
本書の該当ページ政治制度(p.60)、全体主義(p.41)、アメリカ政治(p.65)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず目次から「自分の志望大学の過去問に出た論点」を特定し、該当章から読み始めましょう。たとえば国民主権が出題されたなら第5章(p.43)、選挙制度が問われたなら第8章(p.70)といった具合です。
1冊を通読するのではなく、過去問の設問ごとに本書の関連箇所を確認する辞書的な使い方が効率的です。過去問を解いて間違えた問題について「なぜ間違えたか」を分析し、その原因が概念の不理解にあれば本書で該当章を読む、というサイクルを繰り返します。
メモは本書の余白に直接書き込むのではなく、ノートやデジタルツールに整理することで、何度でも読み返せる状態を保つことをお勧めします。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.13 第2章 国家と権力「国民国家」がここで扱われています
- p.43 第5章 現代の民主主義「国民投票」がここで扱われています
- p.70 第8章 選挙「比例代表制」がここで扱われています
- p.117 第12章 政党「一党優位政党制」がここで扱われています
注意点
本書は第4版(改訂版)ですが、政治学の基本概念は時代が古くても基本構造に大きな変化がないため、この版でも大きな問題はありません。ただし、掲載されている統計データや具体的な事例は出版時点のものであることに注意してください。最新の法改正や政治動向については、別途確認が必要です。
もう一つの注意点として、本書はあくまで「入門書」であり、大学の専門科目で求められるような高度な理論構造までは扱っていません。試験の難易度によっては、本書だけでは不足する可能性があります。特に理論系の難問が出題される大学を志望する場合は、本書で基礎を固めた後、より専門的な参考書への進学も検討してください。
また、本書が扱っていない政治学分野(国際関係の深い理論、比較政治制度など)については別途対策が必要になる点も記しておきます。







