学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史(下) ハワード・ジン,レベッカ・ステフォフ,鳥見 真生
アメリカの歴史は、高校の世界史で学ぶ内容だけでは不十分なことがあります。特に編入試験では、アメリカ外交史や社会運動の背景まで問われることがあるため、教科書的な知識だけでは対応できない場合があります。本書は、主流の歴史叙述では周辺化されてきた視点からアメリカ史を描き直した作品で、編入試験で求められる「批判的思考力」を養うのに役立つ可能性があります。
この本の位置づけ
本書は、すでに高校世界史の基本的なアメリカ史を学んだ受験生、もしくは人文系学部の編入試験で背景知識を深めたい受験生を対象としています。従来の教科書的なアメリカ史理解を相対化し、異なる視点から歴史を考察する訓練になります。
通常の参考書や世界史教科書がマクロな政治・外交史を中心にするのに対し、本書は労働者運動、先住民、移民、黒人など、従来は周辺的な位置づけをされてきた主体の視点を組み入れています。そのため、歴史を「多元的に」読む力が養われます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験でアメリカ史が出題範囲に含まれることが確認できた場合、基本的な教科書学習を終えた後期段階(大学1年生の秋冬以降)で補助的に取り組むのが目安です。早い段階での導入は、背景知識がないため理解が進まず、逆に試験直前での初読は深い思考につながりにくくなります。
本書は教科書的な整理ではなく、視点の転換を促す読書ですので、焦って覚えようとするのではなく、時間的余裕をもって段階的に読み進めることが重要です。
使い方
まず目次がない点、また下巻である点に注意して、上巻の内容理解を前提に進めることになります。本書は通読型の著作なので、特定の単元だけを抜き出して学ぶのではなく、連続性を意識しながら読み進める方が効果的です。
読み方としては、章ごとに対応する教科書や参考書の該当部分を確認してから本書を読むことで、「標準的な解釈」と「本書の解釈」の相違点が明確になります。特に編入試験で論述が求められる場合、こうした視点の多元性は答案に深さをもたらします。
本書を読んだ後、試験範囲に関連した過去問を解く際に、「複数の視点から事象を捉える」癖がついているか確認すると、学習効果が定着しやすくなります。
注意点
本書は学術的な論考である一方、編入試験対策として標準化された対応を提供するものではありません。当社の過去問分析では、この本を使用した受験生による合格事例が報告されていないため、試験に直結する効果を保証できない点が重要です。
また、本書は翻訳作品であり、アメリカ史研究における特定の学派の主張を反映しています。編入試験では多くの場合、より標準的な教科書的アメリカ史が出題の基準となるため、本書だけに依存すると試験問題とのズレが生じる可能性があります。あくまで教科書学習の補助的な位置づけに留め、基礎知識の習得が先行していることを前提として使用してください。







