朝日キーワード哲学
編入試験で哲学を扱う文学部や教養学部の問題では、西洋哲学の主要な思想家やテーマについて、その基本的な概念や系統的な関係を問う出題が繰り返されます。しかし参考書によっては特定の思想家にしか触れていなかったり、用語の説明が散逸していたりして、出題範囲全体をつかみにくいことがあります。本書は、西洋哲学から東洋哲学まで、編入試験に頻出するキーワードを辞書的に整理しており、短時間で幅広い思想背景を把握するのに役立ちます。
この本の位置づけ
本書は編入受験生向けというより、一般向けの教養的なキーワード事典です。そのため、哲学の初学者や、複数の思想を横断的に学び直したい受験生に適しています。専門的な深掘りを求める学生には物足りないかもしれません。
他の参考書と異なり、本書は個別の思想家の著作解説ではなく、「デカルト」「実存主義」「社会契約論」といった概念・傾向ごとに項目が立てられています。そのため、編入試験の過去問に登場する用語をその場で調べて背景を理解する使い方に向いています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
1年生の秋から2年生春にかけて、哲学系科目の講義と並行して導入するのが目安です。講義で初めて出会った思想や用語について、講義後に本書で確認する学習サイクルが効果的です。
導入が遅すぎて試験3ヶ月前に初めて手に取ると、量が多すぎて用語の優先順位がつけにくくなります。反対に高校時代から哲学の基礎がない場合、本書だけでは論理の流れをつかみきれず、体系的な参考書と併用が必要になります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
埼玉大学教養学部
世界史
頻出テーマヨーロッパ文化、世界史
本書の該当ページヨーロッパ文化(p.261)、社会進化論(p.122)、世界史(p.103)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
最初から順番に読む必要はありません。編入試験の過去問で「ヘーゲル」「科学哲学」といった用語が出たとき、該当ページ(目次で確認)を開いて、その概念の背景を5分程度で押さえるというリファレンス的な使い方が基本です。
講義ノートや参考書で出会った思想について、本書の該当項目を辞書的に引いて整理することで、複数の思想家や概念の相互関係が見えやすくなります。過去問演習の際に、選択肢の人物や思想に不明な点があれば、本書で素早く確認し、次の問題に活かすというサイクルが有効です。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.6 フェミニズム
- p.36 世界内存在
- p.72 フランクフルト学派
- p.101 田辺元
- p.128 実存主義
- p.156 啓蒙思想
- p.186 神即自然
- p.230 スコラ学
注意点
本書は一般向けの教養事典であり、編入試験の出題範囲を網羅しているわけではありません。本書に項目がない思想家や概念も多くあるため、本書だけで十分ではなく、大学の講義や体系的な哲学参考書との組み合わせが必須です。
各項目は簡潔にまとめられているため、入試直前の短時間での確認には適していますが、思想の論理的背景や批判的観点までは記載されていない場合があります。過去問で誤答に直面したときは、本書の説明だけでなく、より詳細な参考書に立ち戻ることをお勧めします。







