Essential細胞生物学 Alberts Bruce,榊 佳之 ,水島 昇 ,Hopkin Karen,Johnson Alexander D,Morgan David Owen ,Raff Martin C,Roberts K. (Keith),Walter Peter,中村 桂子 ,松原 謙一
編入生物試験では、細胞内で起こる現象の仕組みを理解することが問われます。シグナル伝達、遺伝子発現制御、エネルギー代謝など、個別の知識は得られやすいのですが、これらが細胞全体でどのように機能しているかという「体系的な理解」が不足すると、応用問題で対応できなくなります。本書は、細胞生物学の全領域を統合的に解説する教科書として、こうした理解の構築を助けます。
この本の位置づけ
本書は、大学の標準的な細胞生物学の講義で使われる教科書です。高等学校の「生物」から編入試験の学部別二次試験レベルまで、幅広い受験生に対応できます。特に、金沢大・神戸大・名古屋大といった重点大学の医学部や理学部生物学科の編入試験では、本書に掲載されている論点が繰り返し出題されています。 本書の特徴は、図解と文字のバランスが優れており、複雑な現象も理解しやすいレイアウトにあります。市販の編入対策参考書では網羅しきれない細胞生物学の詳細な内容を、統一的に学べる点が他の選択肢との大きな違いです。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入対策を始める1年目の秋〜冬季から、遅くとも受験の1年前には導入することをお勧めします。基礎固めの段階で本書を通読することで、その後の過去問演習の際に「なぜそうなるのか」という背景知識が明確になり、学習効率が大きく向上します。 導入が遅すぎると、過去問を解く際に都度わからない箇所を調べる辞書的な使い方になってしまい、体系的な理解が不十分なまま試験を迎えることになります。逆に導入が早すぎても、高度な内容に圧倒される可能性があるため、高等学校の「生物基礎」と「生物」を終えた段階での導入が最適です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
金沢大学医学部
生物
頻出テーマシグナル伝達、スプライシング、濃度勾配、エキソン
本書の該当ページ濃度勾配(p.393)、ウイルスゲノム(p.318)、AER(p.825)
生物
頻出テーマミトコンドリア、化学的性質、ショウジョウバエ、核内受容体、ステロイドホルモン、ヌクレオソーム
本書の該当ページ遺伝子重複(p.303)、膜貫通タンパク質(p.376)、タンパク質の構造(p.124)
鹿児島大学農学部
生物
頻出テーマアミノ酸、ミトコンドリア、解糖系、クエン酸回路、ピラノース、電子伝達系
本書の該当ページリボソームタンパク(p.250)、真核細胞(p.16)、両親媒性(p.367)
大分大学医学部
生物
頻出テーマトリプトファン、減数分裂
本書の該当ページトリプトファン(p.273)、細胞質(p.574)、二価染色体(p.657)
岡山大学医学部
生物
頻出テーマ代謝経路、ホスホエノールピルビン酸、オートファジー
本書の該当ページポリメラーゼ(p.205)、密着結合(p.703)、細胞間結合(p.808)
鳥取大学医学部
基礎科学
頻出テーマ細胞周期、ヌクレオソーム、クロマチン構造、ヒストンタンパク質、遺伝子転写、減数分裂
本書の該当ページ単一遺伝子疾患 monogenic diseases(p.681)、ヒストンタンパク質(p.189)、対立遺伝子(p.679)
香川大学農学部
生物学(細胞生物学・分子生物学)
頻出テーマヒストン、ミトコンドリア、細胞小器官、細胞核、核小体、粗面小胞体
本書の該当ページ核小体(p.157)、粗面小胞体(p.496)、ヒストン(p.184)
三重大学生物資源学部
生命科学
頻出テーマエキソン、スプライシング、核膜孔、ミトコンドリア、葉緑体、細胞小器官
本書の該当ページ核膜孔(p.499)、エキソン(p.239)、スプライシング(p.238)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
章末の問題を先に眺めてから本文を読み始める方法が有効です。各章で何が問われやすいかを把握した上で、p.274の転写制御、p.400のイオン勾配、p.482の光合成など、編入試験で頻出の単元から優先的に読み込みます。分かりにくい箇所は、簡易的なイラストを自分で描きながら理解を深めるとよいでしょう。 1周目は分野ごとの全体像を把握することに注力し、2周目以降は過去問で出題された箇所を中心に該当ページを読み返す往復学習が効果的です。辞書的に利用することも可能ですが、体系的な理解を目指すなら、複数周を計画した上で進めてください。シグナル伝達、クロマチン構造、解糖系といった重要な単元から始め、その後アミノ酸化学やピラノース構造など詳細な内容へ進むペースが推奨されます。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.2 細胞の統一性と多様性
- p.139 酵素は強力でかつきわめて特異性の高い触媒である
- p.274 転写抑制因子は遺伝子をオフに,転写活性化因子は遺伝子をオンにする「リプレッサー」がここで扱われています
- p.335 制限酵素は DNA 分子を特異的な部位で切断する
- p.400 Na⁺の電気化学的勾配は動物細胞の細胞膜を横切るグルコース輸送を駆動する
- p.482 対の光化学系が共働してATPとNADPHを生成する
- p.557 酵素共役型受容体
- p.636 細胞質分裂
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
大学生物の内容のほぼすべてを網羅しており、分かりやすいレイアウトが特徴。1章ごとにノートにまとめて、自分なりの教科書を作成し、3周した。
神戸大学 理学部 合格(2024年度) / 生物学
大学範囲で試験に頻出である細胞生物学分野について詳しく説明されている。遺伝やDNAやクロマチンなど頻出部分を優先的に読み込み、2周した。
筑波大学 生命環境学軍 合格(2026年度) / 生物
章末の問題を眺めてから本文を斜め読みしていき全体像の把握に使用した。
浜松医科大学 医学部 合格(2023年度) / 生命科学
辞書的に利用し、通読せずわからないところを主に調べた。簡易的なイラストを自分で描いてみて、口頭で説明しながら人に教えるように説明することで理解を深めた。
浜松医科大学 医学部 合格(2023年度) / 生命科学
注意点
本書は大学向けの教科書であり、編入試験に特化した参考書ではありません。そのため、すべての内容が試験に出るわけではなく、選別して学ぶ必要があります。当塾が提供する過去問分析資料と組み合わせて、どの単元が重点的に出題されるかを確認しながら進めることが重要です。 掲載されている単元の中には、編入試験の出題範囲を超えるものもあります。例えば、医学部と農学部では出題傾向が異なるため、志望学部の過去問で出題パターンを先に確認し、本書のどの章を重点的に学ぶかを決めてから利用することをお勧めします。高度な内容のため、初学者が1周目から完全に理解することは難しいという点も念頭に置いておいてください。







