民法 = CIVIL LAW 3 山本 敬三 ,鳥山 泰志,藤澤 治奈
民法は編入試験で頻出ですが、体系的に理解するのが難しく、断片的な知識に陥りやすいのが受験生の悩みです。本書は民法の全体像を理論的に捉え直したい受験生向けの教科書型参考書です。編入対策としてどの程度の深さまで学ぶべきか、その判断基準となる一冊です。
この本の位置づけ
本書は大学の法学部で使用される標準的な民法教科書で、初学者向けというより、すでに民法の基礎知識がある程度ある受験生を対象としています。編入試験の出題範囲に完全に対応した参考書ではなく、民法の理論的背景を深く理解したい場合に有効です。
一般的な編入対策参考書と異なり、本書は試験に「出そうな論点」に絞った構成ではなく、民法全体の体系を網羅的に解説する教科書です。そのため、効率性よりも理解の深さを優先する受験生向けといえます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
本書を導入するのは、基本的な民法知識がある程度固まった段階、つまり大学2年生の中盤以降が目安です。基礎がまだ不十分な時期に取り組むと、理論の抽象度に圧倒されて消化不良に終わる可能性があります。
逆に、編入試験直前に初めて手に取るのは避けるべきです。本書で理論を深掘りしている間に、過去問演習や他の教科への時間配分のバランスが崩れるリスクがあります。自分の志望大学の出題傾向を確認してから、活用の必要性を判断することをお勧めします。
使い方
まず目次から、自分の志望大学が重視しそうな分野(例:総則、不法行為など)の該当ページを特定しましょう。p.57の第3章、p.69の第4章など、各章の冒頭で全体像をつかみ、その後に詳細を読み進める方法が有効です。
読み方としては、一度目は理論的な流れを理解することに集中し、二度目以降は重要概念の定義や判例との関係を確認する段階的アプローチが適しています。合格者の体験から、総則分野と不法行為分野は丁寧に理解し、その他分野は用語の意味を中心にする、というメリハリのある学習方法が参考になります。
編入試験の過去問に戻った時に、本書で学んだ理論背景が問題文の解釈を助けることに気づくでしょう。その段階で初めて本書の価値が活きてきます。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.57 第3章「担保不動産収益執行」がここで扱われています
- p.69 第4章「第三債務者」がここで扱われています
- p.134 第6章「担保不動産競売」がここで扱われています
- p.190 第9章「質権設定契約」がここで扱われています
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
少し難しく感じた。法政大学の編入試験で使う知識としてはこのレベルまでは必要ないかもしれない。2周した。
法政大学 法学部 合格(2026年度) / 法学
総則分野と不法行為分野は丁寧に理解し、その他分野については用語の意味を中心に覚えて5周した。
筑波大学 社会・国際学群 合格(2025年度) / 法学
注意点
合格者の体験談から「少し難しく感じた」「編入試験で必要なレベルを超えているかもしれない」という指摘があります。特に法政大学の合格者がこの評価をしているため、難関私大志望でない場合は、本当にこのレベルまで学ぶ必要があるか、志望大学の過去問で確認してから購入することをお勧めします。
本書は教科書であり、編入試験対策として最適化されていません。掲載されている論点すべてが出題される訳ではなく、むしろ編入試験に出ない深い理論も多く含まれています。効率性を重視する場合は、まず過去問で出題傾向を確認し、その上で補助教材として活用する方が現実的です。
また、こうした教科書は出版年によって判例の取扱いが異なる場合があります。本書購入前に、最新判例との整合性についても確認すると、学習効果がより高まります。







