ウォーミングアップ法学 = Warming Up for Legal Studies 石山 文彦 ,山本 紘之 ,堀川 信一
編入試験の法学問題では、具体的な法律知識だけでなく、法の基本概念を理解しているかが問われます。多くの受験生は個別の制度や条文に目が行きがちですが、「法治主義とは何か」「物権と債権の違いは何か」といった根本的な問いに答えられず、記述式問題で減点されてしまいます。本書は、こうした法学の基礎概念を体系的に学び直すための入門書です。
この本の位置づけ
本書は法学を学び始めたばかりの受験生を主な対象としています。高校までの勉強で法学に触れていない方や、大学の法学部進学課程を履修していない編入受験生が、まず法の全体像をつかむために適した一冊です。
類似の入門書と異なる点は、本書が法の分類(公法・私法など)から法源・法の解釈といった根本的な事項を順序立てて説明していることです。合格者の体験談でも、単なる知識習得だけでなく「法学の概念を学ぶ」ことに重点が置かれており、その後の問題演習の質を高める下地づくりに活用されています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の対策を始める早期段階、具体的には入試まで1年以上ある時点で導入することが理想的です。春から夏にかけて1冊を通して読み進め、秋からの問題演習の基盤を整えるという使い方が想定されます。
もし遅く導入した場合、個別の論点を解く際に「そもそもこの制度や概念は何なのか」と立ち戻る回数が増え、復習に時間がかかります。逆に対策開始直後に導入しても、全体像が見える前に細かい知識に混乱することはないため、早めの導入に問題はありません。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず通読して法学全体の骨組みを理解することから始めてください。第1章から第8章まで順序に従い、1冊を完読することで、以降の学習で頻出する概念や用語の位置づけが明確になります。
1回目の通読後は、問題演習や講座でわからない概念が出てきたときに、該当する章を辞書のように参照する使い方が効果的です。例えば「意思能力」「行為能力」の違いが問題文で問われたら、本書の該当ページに戻って確認するという流れです。
神戸大学など基礎的な法学概論を問う大学を志望する場合は、複数回の読み込みも検討してください。合格者の体験談では5周を通じて「全て説明できるレベル」に到達したという報告もあり、特に記述式問題への対策として有効です。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.13 第1章 法の2つの分野「刑事の分野」がここで扱われています
- p.25 第2章 司法制度「最高裁判所」がここで扱われています
- p.32 第3章 法の分類「実定法」がここで扱われています
- p.49 第4章 法源「国際法」がここで扱われています
- p.54 第5章 法の解釈と適用「傷害罪」がここで扱われています
- p.67 第6章 法と社会規範「法の支配」がここで扱われています
- p.70 第7章 法と歴史「資本主義」がここで扱われています
- p.102 第8章 条文の読み方と構造「社団法人」がここで扱われています
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
一周は知識を入れるために読み、その後は問題を解く時や講座でわからないことがあった時に辞書的に利用した。
神戸大学 法学部 合格(2026年度) / 法学
法学の概念を学ぶのに一番良い入門書だと思い、神戸大学の基礎的な法学概論対策として5周し、全て説明できるようにしていた。
神戸大学 法学部 合格(2026年度) / 法学
注意点
本書は基礎的な概念学習に特化しており、大阪大学の法学部や神戸大学の法学概論など、より深い理論的な論述が求められる大学では、本書だけでは不十分です。本書で基礎を固めた上で、別途、応用的な参考書や判例学習に進む必要があります。
また、編入試験で頻出される「債権法」「物権法」「相続法」などの分野も、本書では総論的な説明にとどまっています。本書で全体像をつかんだ後、各分野ごとの詳細な参考書に進むというステップを想定して学習計画を立ててください。







