歴史学のトリセツ 小田中直樹
大学編入の人文学系受験では、歴史学の論文読解や批判的思考が求められることがあります。しかし、高校までの歴史学習とは異なり、「歴史をどう研究するのか」という方法論に対する理解が不足している受験生は多くいます。本書は歴史学という学問そのものの見方・考え方を学ぶ入門書として、受験勉強の土台を整える手助けになる可能性があります。
この本の位置づけ
本書は歴史学という学問領域がどのような思考法を使うのか、全体像を把握したい受験生向けです。特に、歴史学部や人文学系の学部への編入を目指していながら、「歴史学って何をしているのか」という根本的な疑問を持っている場合に適しています。
過去問分析の結果、本書の内容が特定の編入試験で繰り返し問われる論点と一致していることは確認されていません。そのため、本書は受験対策の「優先度が高い参考書」ではなく、学部の基礎理解を深めるための補助的な位置づけとお考えください。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
導入の最適時期は、編入受験の準備段階の早い時期です。志望学部の専門分野を本格的に学ぶ前に、歴史学という学問の骨格を理解しておくと、以後の学習がより体系的になります。
ただし、過去問演習を始めてからこの本を開くのは避けた方が無難です。試験対策が優先される時期に、学問論の入門書に時間を使うと、実践的な対策がおろそかになる可能性があります。
使い方
読む順序としては、編入試験の準備を決めた直後、志望学部の専門科目の教科書や論文に触れる前に一読することをお勧めします。
本書は「参考書を反復して問題を解く」という使い方ではなく、歴史学の考え方を頭に入れるための「読む本」です。一度読んだ後、志望学部の専門教材を読む際に「この著者はこのような歴史学的思考をしているんだ」と認識できるようになれば、理解が深まります。過去問を見て不明な歴史学的概念が出てきた際に、本書に戻って確認するという使い方も効果的です。
注意点
本書の出版年が相当古い可能性があり、歴史学の研究動向が変わっている場合は注意が必要です。学問の基本的な考え方は通用しますが、具体例や参考文献が時代遅れの可能性を念頭に置いてください。
また、本書はあくまで「歴史学とは何か」という入門的な解説であり、編入試験で出題される具体的な歴史事象や論点をカバーしていません。本書だけで過去問対策ができるわけではなく、志望学部に特化した参考書・過去問演習と並行して使うことが重要です。







