刑法〔第4版〕 山口 厚
刑法は編入試験の頻出科目ですが、総論と各論の体系的な理解が難しく、特に責任能力や未遂犯といった理論的な論点で受験生がつまずきやすい分野です。本書は刑法学の標準的テキストとして、編入試験で繰り返し問われる論点を体系的に解説しているため、理論的な基礎を固めたい受験生に適しています。
この本の位置づけ
本書は大学の法学部で使用される標準的な教科書レベルで、刑法の総論から各論まで幅広く扱っています。編入受験生であれば、独学での準備を始める段階で本格的に取り組むのに適した難易度です。 他の参考書と異なり、単なる解説や過去問集ではなく、刑法学の理論体系全体を理解させることを重視しており、なぜそのような判断になるのかという根拠を学べます。これにより、初見の問題にも対応できる応用力が養われます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の準備を開始して3〜4ヶ月目の、基礎学力を定着させる段階で導入することをお勧めします。過去問に取り組む前に、理論的な土台を作ることで、その後の問題演習がより効果的になります。 もし準備期間が十分にある場合は1年以上前から、逆に試験3ヶ月以内での新規導入は、時間不足による挫折のリスクが高まります。その場合は、過去問に頻出の論点に絞った学習が現実的です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
近畿大学大学院全学部
刑法
頻出テーマ未遂犯、事実の錯誤、殺人罪、中止犯、客観的危険説、具体的危険説
本書の該当ページ事実の錯誤(p.113)、客観的危険説(p.144)、具体的危険説(p.144)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず目次から、筑波大学・新潟大学・近畿大学院の過去問で繰り返し出題されている論点(責任能力、未遂犯、中止犯、名誉毀損、業務妨害など)に該当する章を特定し、そこから読み始めることをお勧めします。第3章、第5章から第7章、第9章が該当箇所となります。 各章を読む際は、単語や定義を暗記するのではなく、なぜそのような結論に至るのかという論理的な流れを手書きでまとめることが重要です。その後、実際の過去問でその論点がどのような形で問われているかを確認し、本書の解説に戻って確認する往復学習を繰り返してください。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.61 第3章「同等利益・優越的利益の保護」がここで扱われています
- p.143 第5章「中止犯」がここで扱われています
- p.153 第6章「極端従属性説」がここで扱われています
- p.183 第7章「単純一罪」がここで扱われています
- p.281 第9章「個別財産に対する罪」がここで扱われています
注意点
本書は第4版で、法改正により一部内容が更新されている可能性があります。購入時には版の発行日を確認し、編入受験対象年度の法律に対応しているかどうかを確認することをお勧めします。 また、本書は理論的な解説を重視しているため、実務的な判例の運用まで詳しく説明されていない部分があります。過去問で問われている具体的な事例については、別途判例集や演習書で補完する必要があります。さらに、本書だけでは各論の全分野をカバーしているわけではないため、特定の罪名(詐欺罪、横領罪など)について深掘りが必要な場合は、追加の参考書を用意することをお勧めします。







