財務諸表分析 桜井 久勝
財務諸表分析は、編入試験の会計学・経済学系で頻出されながらも、初学者にとってはその全体像をつかみにくい分野です。利益率、資本回転率、自己資本比率といった指標の意味や計算方法が分からないと、過去問を解く際に手が止まってしまいます。本書は企業の財務諸表を体系的に読み解く枠組みを提供し、経営学部・経済学部の編入試験で繰り返し問われる論点に対応できる基礎を作ります。
この本の位置づけ
本書は、簿記の基本知識がある程度備わった受験生向けです。財務諸表の読み方の入門段階ではなく、複数の指標を組み合わせた分析手法を学ぶ段階の参考書となります。 他の会計学入門書との違いは、単なる会計処理の説明にとどまらず、利益率や資本回転率などの経営分析指標の関連性を重視している点です。龍谷大学や神戸大学といった経営学部の編入試験では、こうした指標を用いた企業分析が出題されるため、体系的な理解が求められます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
財務諸表分析は、簿記2級レベルの基礎学習を終えた段階、つまり編入対策の中盤(目安として出願6~8カ月前)から導入することをお勧めします。簿記の知識が不十分なまま本書に入ると、用語の定義に時間がかかり効率が落ちます。 一方、出願3カ月前からの導入では、過去問演習との並行が難しくなり、試験本番での応用力が不足しがちです。本書で理論を固めた後、過去問を通じて各大学の出題パターンに慣れる時間が必要です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず全体を通読して、財務指標の体系的な関係性を把握してください。その後、龍谷大学、同志社大学、神戸大学の過去問を解く前に、各大学で出題されている指標(自己資本比率、レバレッジ、営業循環など)に該当する章を重点的に復習するという往復学習が効果的です。 計算問題が出た際は、本書で類似の例題があれば参照して、なぜその指標が用いられるのかという背景を確認することをお勧めします。単純に計算方法を暗記するのではなく、指標の経営学的な意義を理解することが、応用問題への対応につながります。
注意点
本書の出版年が古い可能性があるため、会計基準の変更(特に2023年以降の会計基準改正)に対応しているか確認が必要です。過去問で出題された会計処理と本書の説明に矛盾がないか、事前に確認してから使用してください。 また、本書は統計学や計量経済学の手法(回帰分析など)をカバーしているかどうかが不明確です。名古屋大学経済学部のように統計学を重視する編入試験を受ける場合は、本書のみでは不十分となる可能性があるため、別途統計学の参考書を用意してください。







