生化学・分子生物学演習 猪飼 篤 ,野島 博
生化学・分子生物学は編入試験で頻出ですが、特にアミノ酸代謝やシステインなど、構造と反応経路の両方を理解する必要がある単元は、教科書を読むだけではつかみにくいことが多いです。本書は演習問題を通じて、これらの概念を定着させるために活用できます。福井大学医学部など、生化学を重視する大学を志望する場合は、特に検討する価値があります。
この本の位置づけ
本書は生化学・分子生物学の基礎概念をすでに学んだ受験生を対象とした演習書です。講義形式の参考書で予備知識を身につけた後、実際に問題を解いて理解を深めるために使う位置付けです。
一般的な参考書は説明と例題にとどまることが多いのに対し、本書は問題量が豊富で、繰り返し問うことで定着を狙う構成になっています。特にアミノ酸代謝のような計算や図解が必要な単元で、複数の角度からアプローチできるのが特徴です。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
生化学の基礎概念(アミノ酸の分類、酵素反応の基本など)を学んだ後、本格的に過去問対策を始める前の3~4ヶ月前から導入することをお勧めします。早すぎる段階で使うと、基礎知識が不足したまま問題を解くことになり、却って混乱する可能性があります。逆に直前期に初めて使うと、知識の定着に時間が足りなくなるリスクがあります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
生物化学
頻出テーマ肥満細胞、乳酸デヒドロゲナーゼ、細胞生物学、アレルギー、分子生物学、糖新生
本書の該当ページ肥満細胞(p.307)、乳酸デヒドロゲナーゼ(p.98)、細胞生物学(p.219)、アレルギー(p.308)
高知大学医学部
数学
頻出テーマ発生学、プロテアーゼ、アレルギー、遺伝子工学、デヒドロゲナーゼ、分子生物学
本書の該当ページ発生学(p.282)、プロテアーゼ(p.96)、アレルギー(p.308)、遺伝子工学(p.256)
滋賀医科大学医学部
化学物理
頻出テーマリガーゼ、アポトーシス、カスパーゼ、中間径フィラメント、エキソン、マクロファージ
本書の該当ページリガーゼ(p.255)、アポトーシス(p.221)、カスパーゼ(p.222)、中間径フィラメント(p.241)
お茶の水女子大学理学部
数学生物化学
頻出テーマピリミジン、分子生物学、解離定数、生化学、サイクリン、ヘモグロビン
本書の該当ページピリミジン(p.31)、分子生物学(p.177)、解離定数(p.44)、生化学(p.41)
愛媛大学医学部
物理化学
頻出テーマプロテアーゼ、分子生物学、酸化還元電位、抗原提示、糖新生、生化学
本書の該当ページプロテアーゼ(p.96)、分子生物学(p.177)、酸化還元電位(p.81)、抗原提示(p.298)
生物化学
頻出テーマプロテアーゼ、遺伝子工学、解離定数、抗原提示、ヘモグロビン、マクロファージ
本書の該当ページプロテアーゼ(p.96)、遺伝子工学(p.256)、解離定数(p.44)、抗原提示(p.298)
秋田大学医学部
生物
頻出テーマアレルギー、アポトーシス、抗原提示、サイクリン、グルタミン酸、マクロファージ
本書の該当ページアレルギー(p.308)、アポトーシス(p.221)、抗原提示(p.298)、サイクリン(p.214)
大分大学医学部
生物医療・看護
頻出テーマアポトーシス、免疫グロブリン、マクロファージ、フルクトース、細胞周期、神経系
本書の該当ページアポトーシス(p.221)、免疫グロブリン(p.292)、マクロファージ(p.300)、フルクトース(p.106)
琉球大学医学部
生物小論文医療・看護
頻出テーマ遺伝子工学、アレルギー、分子生物学、酸化還元電位、酵素反応、ヘモグロビン
本書の該当ページ遺伝子工学(p.256)、アレルギー(p.308)、分子生物学(p.177)、酸化還元電位(p.81)
島根大学医学部
英語
頻出テーマ遺伝子工学、スプライシング、塩基対、細胞周期、脂肪酸、細胞質
本書の該当ページ遺伝子工学(p.256)、スプライシング(p.188)、塩基対(p.31)、細胞周期(p.212)
鹿児島大学医学部
生物
頻出テーマアポトーシス、解離定数、エキソン、マクロファージ、スプライシング、表現型
本書の該当ページアポトーシス(p.221)、解離定数(p.44)、エキソン(p.188)、マクロファージ(p.300)
静岡大学農学部
生物化学
頻出テーマ五炭糖、リボース、細胞小器官、アラニン、真核生物、脂肪酸
本書の該当ページ五炭糖(p.150)、リボース(p.31)、細胞小器官(p.208)、アラニン(p.12)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず、章ごとに関連する講義系の参考書で概念を確認した上で、本書の該当箇所の問題に取り組むという順序が効果的です。最初は選択肢問題や基本的な計算問題から始め、正答できたら類似の過去問に進むという往復が有効です。
アミノ酸代謝やシステインなど、反応経路が複雑な単元については、問題を解いた後、間違えた部分を講義系の参考書に戻って確認する作業を繰り返すことで、理解が定着しやすくなります。単純に解答を確認するのではなく、なぜその反応が起きるのかを構造式で確認する習慣が大切です。
注意点
目次の詳細情報が確認できないため、本書がアミノ酸代謝やシステイン以外の単元をどの程度カバーしているかは事前確認が必要です。福井大学医学部で問われやすい単元に対応しているか、シラバスや過去問と照合してから購入することをお勧めします。
また、本書の出版年が新しいか古いかによって、最新の医学部の傾向との乖離がある可能性があります。出版年を確認し、必要に応じて最新版の所有を検討してください。本書だけで全ての生化学的知識をカバーすることは難しいため、講義系の参考書や大学の教科書との並用が前提となります。




