電気回路 金原 粲 ,加藤 政一,和田 成夫,佐野 雅敏
電気回路は工学系編入試験で頻出の科目ですが、基礎概念の理解が不十分なまま問題演習に進むと、応用問題で行き詰まりやすい分野です。本書は電気回路の基礎理論を体系的に解説した標準的な教科書で、編入試験に向けて必要な基礎知識を固める際に参考になります。
この本の位置づけ
本書は大学の電気回路の講義用教科書として編集されており、微積分の基礎知識がある学習者を対象としています。数学的な厳密性と物理的な直感のバランスを取りながら、電気回路の基本法則から段階的に説明しています。
同じく編入対策で使われる他の電気回路の参考書と比べると、本書は教科書的なアプローチで理論の背景をていねいに述べるのが特徴です。一方、編入試験に特化した問題集ではないため、実際の出題傾向に直結した内容ではない点に注意が必要です。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の準備を始めた初期段階、特に電気回路の基礎概念がまだ定着していない時期に導入するのが効果的です。遅くとも過去問演習を本格化させる3ヶ月前までには基礎固めを完了する必要があります。
もし準備期間が限られている場合は、いきなり本書で全体を学ぶより、受験予定校の過去問から必要な分野を逆算して、本書の該当箇所を選別して使う方法も検討してください。準備が遅れた状態で本書の全章を順序通り学ぶと、試験までに過去問演習の時間が不足する可能性があります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
東京農工大学工学部
数学
頻出テーマ時定数、テブナンの等価回路、二端子対回路、回路方程式、伝送線路、過渡応答
本書の該当ページ時定数(p.226)、テブナンの等価回路(p.42)、二端子対回路(p.172)、回路方程式(p.25)
大阪公立大学工学部
物理情報
頻出テーマ複素数表示、微分方程式の解、交流電圧、三相交流、アドミタンス、最大電力
本書の該当ページ複素数表示(p.65)、微分方程式の解(p.204)、交流電圧(p.113)、三相交流(p.165)
宮崎大学工学部
数学
頻出テーマ交流電圧、変成器、電気回路、テブナンの定理、有効電力、無効電力
本書の該当ページ交流電圧(p.113)、変成器(p.112)、電気回路(p.203)、テブナンの定理(p.134)
名古屋工業大学工学部
物理
頻出テーマ二端子対回路、電流比、過渡応答、三相交流、過渡現象、相互誘導
本書の該当ページ二端子対回路(p.172)、電流比(p.187)、過渡応答(p.208)、三相交流(p.165)
熊本大学工学部
情報数学
頻出テーマ二端子対回路、回路方程式、過渡現象、アドミタンス、電気回路、有効電力
本書の該当ページ二端子対回路(p.172)、回路方程式(p.25)、過渡現象(p.203)、アドミタンス(p.72)
物理その他数学
頻出テーマ複素数表示、過渡応答、直列接続、最大電力、過渡現象、並列接続
本書の該当ページ複素数表示(p.65)、過渡応答(p.208)、直列接続(p.9)、最大電力(p.20)
京都工芸繊維大学工芸科学部
物理数学
頻出テーマ複素数表示、アドミタンス、過渡現象、テブナンの定理、有効電力、無効電力
本書の該当ページ複素数表示(p.65)、アドミタンス(p.72)、過渡現象(p.203)、テブナンの定理(p.134)
三重大学工学部
物理数学
頻出テーマ過渡応答、アドミタンス、過渡現象、等価回路、複素平面、インピーダンス
本書の該当ページ過渡応答(p.208)、アドミタンス(p.72)、過渡現象(p.203)、等価回路(p.42)
英語物理数学
頻出テーマ過渡応答、微分方程式の解、電気回路、テブナンの定理、等価回路、角周波数
本書の該当ページ過渡応答(p.208)、微分方程式の解(p.204)、電気回路(p.203)、テブナンの定理(p.134)
新潟大学理学部
物理
頻出テーマ微分方程式の解、ブリッジ回路、重ね合わせ、連立方程式、初期条件、ブリッジ
本書の該当ページ微分方程式の解(p.204)、ブリッジ回路(p.35)、重ね合わせ(p.130)、連立方程式(p.28)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず目次で全体構成を把握した上で、自分の弱い分野から読み進めるのがお勧めです。各章を読む際は、本文の説明を読んだ後、記載されている例題に取り組み、その解き方をノートに再現する作業を繰り返してください。
本書だけでは編入試験の出題形式に対応しきれないため、基礎理論の理解が進んだ段階で、受験予定校の過去問に移行することが重要です。過去問を解く中で理解が不足している箇所が見つかったら、本書に戻って該当ページを確認する、という往復学習が効果的です。
章末の演習問題がある場合は、その全問を解くまでが一つの区切りです。計算途中で詰まったときも、すぐに解答を見るのではなく、本文の関連箇所を読み直して原理から考え直すプロセスを大切にしてください。
注意点
本書の出版年が明記されていないため、電気回路の基礎理論は不変ですが、教科書としての記述方法や使用例は時代によって異なる可能性があります。図版や数値例が現在の試験問題と異なる場合があるため、参考書として使う際は複数の資料と照合することをお勧めします。
本書は教科書であり、編入試験に特化した参考書ではありません。そのため、当社の過去問分析では本書が特定の受験大学の対策に該当していない状況です。本書で基礎を固めた後は、必ず志望校の過去問分析結果に基づいて、出題傾向に合った問題演習に進むことが合格への近道になります。




