2025セミナー化学
編入試験の化学は、高校化学の基礎知識と計算スキルを同時に問う科目です。特に化学平衡や酸化還元反応などの頻出単元は、概念の理解があいまいなままでは得点につながりません。本記事は、編入対策向けの参考書『2025セミナー化学』が、実際の編入試験でどのような役割を果たすのかを整理します。
この本の位置づけ
本書は、高校化学の基礎から標準レベルの問題演習を網羅した問題集です。化学平衡、酸化還元反応、有機化学の置換反応やカップリング反応など、編入試験で繰り返し出題される単元を体系的に扱っています。滋賀医科大学、筑波大学、関西大学などの理学系・医療福祉系学部の編入試験対策として活用できる内容構成になっています。
他の化学参考書と異なり、本書は「忘れている高校レベルの知識を取り戻す」ことに重点を置いています。大学1年時に習う化学との接続を意識した編成になっており、全くゼロからの学習より、かつて学んだ内容を効率的に復習したい受験生向けです。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
導入時期は大学1年の秋から2年の初春がめやすです。編入対策を本格化させる直前に、高校化学の抜け漏れを把握し、補強する役割を果たします。早すぎる導入は、その後の忘却につながるため避けた方が無難です。逆に編入試験の直前期に初めて取り組むと、単元ごとの定着に時間がかかり、十分な演習量を確保できなくなります。
合格者の体験談では、1週間で1~2単元進めるペースで、全体を2周繰り返す学習法が報告されています。このペースであれば、4~5ヶ月で一通りの学習と復習が完結します。
ターゲット大学と対策できるテーマ
過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
高知大学医学部
数学
頻出テーマ金属イオンの分離、シャルルの法則、気体の性質、メタノール、組成式、高分子化合物
本書の該当ページ金属イオンの分離(p.135)、シャルルの法則(p.12)、気体の性質(p.104)、メタノール(p.164)
滋賀医科大学医学部
物理
頻出テーマ構造推定、金属イオンの分離、キシレン、電離定数、縮合重合、気体の状態方程式
本書の該当ページ構造推定(p.189)、金属イオンの分離(p.135)、キシレン(p.174)、電離定数(p.82)
お茶の水女子大学理学部
化学数学
頻出テーマ結晶格子、メタノール、エネルギー図、組成式、気体の状態方程式、燃焼エンタルピー
本書の該当ページ結晶格子(p.22)、メタノール(p.164)、エネルギー図(p.50)、組成式(p.147)
茨城大学理学部
数学化学
頻出テーマ還元作用、反応速度定数、アンモニア水、燃焼エンタルピー、配位数、不斉炭素原子
本書の該当ページ還元作用(p.200)、反応速度定数(p.75)、アンモニア水(p.126)、燃焼エンタルピー(p.50)
化学数学生物
頻出テーマ反応速度定数、電離定数、配位数、濃硫酸、ニトロベンゼン、水酸化ナトリウム
本書の該当ページ反応速度定数(p.75)、電離定数(p.82)、配位数(p.22)、濃硫酸(p.101)
北里大学医学部
英語
頻出テーマ濃硝酸、電離定数、気体の状態方程式、ピストン、サリチル酸、希硫酸
本書の該当ページ濃硝酸(p.127)、電離定数(p.82)、気体の状態方程式(p.12)、ピストン(p.19)
琉球大学医学部
生物小論文医療・看護
頻出テーマ還元作用、反応速度定数、気体の状態方程式、混合気体、安息香酸、状態方程式
本書の該当ページ還元作用(p.200)、反応速度定数(p.75)、気体の状態方程式(p.12)、混合気体(p.12)
愛媛大学医学部
物理化学
頻出テーマ構造推定、メタノール、気体の状態方程式、サリチル酸、電離度、水酸化ナトリウム
本書の該当ページ構造推定(p.189)、メタノール(p.164)、気体の状態方程式(p.12)、サリチル酸(p.175)
弘前大学医学部
物理数学
頻出テーマ金属イオンの分離、気体の状態方程式、逆反応、不斉炭素原子、有効数字、電気量
本書の該当ページ金属イオンの分離(p.135)、気体の状態方程式(p.12)、逆反応(p.78)、不斉炭素原子(p.196)
生物化学
頻出テーマ電離定数、気体の状態方程式、電離度、不斉炭素、有効数字、芳香族化合物
本書の該当ページ電離定数(p.82)、気体の状態方程式(p.12)、電離度(p.82)、不斉炭素(p.196)
東京海洋大学海洋生命科学部
化学
頻出テーマ硫酸銅、気体の体積、水酸化ナトリウム、不斉炭素、ブタジエン、状態方程式
本書の該当ページ硫酸銅(p.60)、気体の体積(p.12)、水酸化ナトリウム(p.119)、不斉炭素(p.196)
電気通信大学情報理工学域
数学
頻出テーマ気体の状態方程式、気体の体積、エンタルピー変化、反応エンタルピー、状態方程式、蒸気圧
本書の該当ページ気体の状態方程式(p.12)、気体の体積(p.12)、エンタルピー変化(p.46)、反応エンタルピー(p.46)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
学習の進め方としては、各単元ごとに問題を解き、間違えた問題や曖昧な理解の部分を丁寧に復習することが重要です。1周目は全問に取り組み、2周目は間違えた問題に絞って繰り返すという方法が有効です。
本書の使用と編入試験の過去問を往復させることで、学習効果が高まります。具体的には、セミナーで単元の基礎を定着させたのち、志望大学の過去問でその知識がどう出題されるかを確認する流れです。特に化学平衡や酸化還元滴定、有機化学の反応メカニズムなど、計算と概念の両立が必要な単元では、この往復学習が不可欠です。
進度管理としては、1単元に1~2時間程度の時間を設定し、焦らず着実に進めることをお勧めします。
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
生物学同様、過去問の出題傾向に絞って2周繰り返した。
筑波大学 生命環境学群 合格(2026年度) / 化学
忘れている高校レベルの化学の知識をつけるための参考書。1週間で1〜2単元進める形でひたすら解いていった。
宇都宮大学 農学部 合格(2027年度) / 化学
2周した。間違えた問題のみ周回した。
岐阜大学 応用生物科学部 合格(2027年度) / 化学
注意点
本書は高校化学の標準レベルまでを対象としているため、大学レベルの深い理論的背景(混成軌道の詳細など)は十分には扱われていない可能性があります。志望大学の過去問で理論的な深さが求められる場合は、別途、大学レベルの化学教科書との併用を検討してください。
また、本書のみで編入試験対策が完結するわけではありません。志望大学の出題傾向(有機化学に重点を置く大学、無機化学を重視する大学など)に応じて、重点単元の配分を調整する必要があります。特に気体の状態方程式や理想気体と実在気体の扱いなど、大学によって出題スタイルが異なる単元には注意が必要です。過去問分析を並行して行い、本書の学習優先順位を決めることをお勧めします。




