理系総合のための生命科学 分子・細胞・個体から知る 生命 のしくみ 東京大学
生命科学の編入試験では、ミトコンドリアやDNA複製、免疫応答といった頻出単元が、教科書によっては断片的にしか扱われていないことがあります。本書は「分子・細胞・個体」という3つのレベルから生命現象を統合的に解説することで、こうした単元を体系的に学べます。編入試験でよく問われる論点を網羅的にカバーしているため、対策の軸となる一冊です。
この本の位置づけ
本書は難関国公立大学(京都工芸繊維大学、金沢大学、神戸大学、名古屋大学など)の編入試験に向けた、基礎から応用段階までの学習に適した参考書です。大学1年次の生物学既習者を想定した内容となっており、高校生物の知識を前提としながらも、大学レベルの深さを備えています。 本書の特徴は、単なる用語解説にとどまらず、生命現象のメカニズムを「なぜそのようなことが起こるのか」という視点で説明している点です。ミトコンドリアの機能、DNA複製の半保存的メカニズム、シグナル伝達経路など、編入試験で頻出の論点が、他の参考書よりも統一的に整理されています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の生物対策を本格的に開始する時期、つまり受験予定時期の6~8ヶ月前からの導入を目安にしてください。早すぎる導入は避けるべきです。試験まで十分な時間がある状態で複数周できるため、理解が定着しやすくなります。 反対に、試験3ヶ月以内の導入では、範囲が広すぎるため十分な復習サイクルが回せない可能性があります。その場合は、過去問で頻出の単元に絞って該当章を重点的に学習するなど、使い方を工夫する必要があります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
京都工芸繊維大学工芸科学部
生物
頻出テーマミトコンドリア、DNA複製、メッセンジャーRNA、水素結合、精原細胞、減数分裂
本書の該当ページ複製フォーク(p.66)、輸送小胞(p.150)、精原細胞(p.90)
金沢大学医学部
生物
頻出テーマシグナル伝達、スプライシング、濃度勾配、ポリメラーゼ連鎖反応、エキソン、メッセンジャーRNA
本書の該当ページ抗菌薬(p.262)、転写制御(p.312)、発現制御(p.231)
大分大学医学部
生物
頻出テーマ免疫寛容、免疫チェックポイント、免疫応答、DNA複製、減数分裂
本書の該当ページ細胞質(p.198)、末梢神経(p.314)、染色体数(p.82)
生物
頻出テーマ遺伝子発現、ミトコンドリア、分子系統樹、生物多様性、ショウジョウバエ、核内受容体
本書の該当ページショウジョウバエ(p.208)、カルビン・ベンソン回路(p.138)、タンパク質の構造(p.50)
岡山大学医学部
生物
頻出テーマ代謝経路、ホスホエノールピルビン酸、オートファジー
本書の該当ページポリメラーゼ(p.65)、培養細胞(p.157)、代謝経路(p.125)
香川大学農学部
生物学(細胞生物学・分子生物学)
頻出テーマヒストン、ミトコンドリア、細胞小器官、細胞核、核小体、粗面小胞体
本書の該当ページ粗面小胞体(p.114)、核小体(p.114)、ヒストン(p.236)
三重大学生物資源学部
生命科学
頻出テーマ遺伝子発現、メッセンジャーRNA、エキソン、スプライシング、核膜孔、ミトコンドリア
本書の該当ページ核膜孔(p.22)、細胞小器官(p.113)、エキソン(p.77)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
最初に目次で全体像を確認してから、第1章から順に読み進めることをお勧めします。各章では図表を活用しながら、生命現象の仕組みを理解することに重点を置いてください。単なる暗記ではなく、「なぜこのようになるのか」を意識しながら読むことが効果的です。 一通り読み終えたら、志望大学の過去問を解いてみてください。解答の根拠となっている部分を本書で確認し、知識の定着度を測ります。その後、不確かだった単元を本書で復習するという往復を繰り返すことで、実践的な力が身につきます。合格者の体験談では、前日の復習も含めて試験直前までに3周することで、試験当日の確実な得点につながったと報告されています。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.18 第1章 生物の基本概念と基本構造「単細胞生物」がここで扱われています
- p.36 第2章 生物の増殖と恒常性「脱リン酸化」がここで扱われています
- p.52 第4章 タンパク質と酵素「核磁気共鳴法」がここで扱われています
- p.61 第5章 核酸の構造とDNAの複製「DNA複製」がここで扱われています
- p.83 第7章 有性生殖と個体の遺伝「連鎖と遺伝的組換え」がここで扱われています
- p.101 第8章 バイオテクノロジー「RNAi」がここで扱われています
- p.141 第11章 光合成「維管束鞘細胞」がここで扱われています
- p.172 第14章 細胞間シグナル伝達系「神経伝達物質」がここで扱われています
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
とてもわかりやすくまとまっており、似たような問題も試験に出た。前日やった内容を復習し、試験当日までに3周できるように心がけた。
滋賀医科大学 医学部 合格(2023年度) / 生命科学
注意点
本書の出版年が古い場合、最新の免疫学や遺伝子発現制御の知識が完全には反映されていない可能性があります。特に免疫チェックポイントなど、比較的新しい領域については、最新の教科書や参考資料での確認を補足的に行うことをお勧めします。 本書はあくまで基礎から標準レベルの内容が中心であり、大学によっては非常に深い知識を求める問題が出題されることもあります。過去問を解いた際に、本書では扱われていない内容が問われていた場合は、その時点で追加の参考資料で補強してください。また、実験系の問題(ポリメラーゼ連鎖反応の詳細なプロセスなど)については、本書の説明が概観的なため、志望大学の過去問で出題パターンを確認し、必要に応じてさらに詳しい資料で学習することが重要です。







