社会学の力〔改訂版〕 友枝 敏雄,浜 日出夫,山田 真茂留
社会学系の編入試験では、社会的事実、社会構造、ジェンダー、社会運動など多岐にわたる概念が繰り返し出題されます。しかし、これらの用語は教科書ごとに説明の仕方が異なり、受験生が混乱することがあります。本書は、社会学の基礎概念を体系的に整理した教科書として、多くの編入試験対策に活用されています。
この本の位置づけ
本書は、社会学部への編入を目指す受験生全般に対応できる標準的な教科書です。基礎から応用まで段階的に学べるため、社会学を初めて本格的に学ぶ受験生から、既に基礎知識がある受験生まで幅広く使用できます。
他の参考書と比べて、本書は「用語解説」と「理論背景」の両面をバランス良く扱う点が特徴です。単なる用語集ではなく、各概念がどのような問題意識から生まれたのか、社会学史の中でどう位置づけられるのかが示されているため、選択肢問題だけでなく記述問題にも対応できる理解が身につきます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
社会学系への編入受験を決めた段階で、できるだけ早期に導入することをお勧めします。理想的には受験準備の3~4ヶ月前から読み始めると、その後の過去問演習で出題される概念を体系的に理解した状態で臨めます。
逆に導入が遅すぎると、過去問の解説を読む際に基礎概念の定義や相互関係が不明確なままになり、類似概念の区別がつきにくくなります。早期導入により、後の過去問演習で「あの章に書いてあった」と参照しながら問題を解く効率的な学習が可能になります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
明治学院大学社会学部
社会学
頻出テーマ社会階層、橋渡し型社会関係資本、共同体、ジェンダー
本書の該当ページ再生産(p.226)、合法的支配(p.65)、橋渡し型社会関係資本(p.86)、自殺率(p.170)
社会学
頻出テーマ感情労働、予言の自己成就、社会学理論、新しい社会運動、アノミー、一般化された他者
本書の該当ページ予言の自己成就(p.186)、準拠集団(p.182)、コミュニケーション的行為(p.250)、ハビトゥス(p.226)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず全体を通読して、社会学の全体像を把握することが第一段階です。その際は、pp.4~206の各章で繰り返される「社会的事実とは何か」「社会秩序はどう成立するか」といった根本的な問い方に注意しながら読み進めてください。
第二段階では、志望先の過去問で頻出の論点(社会階層、ジェンダー、社会運動など)に対応する章を選び、重要な用語ごとに短くまとめたカード(単語カード、付箋など)を作成します。実際の合格者も、この用語単位の整理を何度も繰り返して定着させたと報告しています。
第三段階では、過去問を解いた際に曖昧だった概念や、選択肢の吟味で迷った論点について、該当ページに戻って確認する往復学習を行います。特に社会学理論(pp.112~246)に関わる問題では、複数の理論的背景を本書で比較しながら理解することが、受験本番での判断精度を高めます。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.4 社会的事実
- p.38 予期的社会化
- p.62 コミュニティとアソシエーション
- p.112 「構造=機能分析」とAGIL図式
- p.136 社会運動論の問題意識
- p.174 社会分化のメカニズム
- p.206 社会の変異と社会の変動「社 会の変異」がここで扱われています
- p.246 フランクフルト学派と啓蒙の弁証法
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
用語を一つ一つ覚えられるから選択。単語カードに要約を書き出して何周も繰り返して暗記した。編入後に大学2年までに全員授業で輪読していることに気づいた。
大阪大学 人間科学部 合格(2026年度) / 社会学
注意点
本書は改訂版ですが、社会学の基本概念は大きく変わらないため、版が少し古い場合でも基礎学習には支障がありません。ただし、「新しい社会運動」や「社会の変動」(pp.136~206)など、時事的なテーマについては、刊行年以降の社会変化が反映されていない可能性があります。過去5年以内の過去問で問われた最新の事例については、別途時事的な資料で補完してください。
本書のもう一つの注意点として、内容が体系的で詳しい分、受験範囲全体を読みこなすには時間を要します。志望先が社会学以外の領域(例えば心理学専攻で社会学を副次的に学ぶ場合)であれば、本書の全章ではなく、過去問分析に基づいて必要な章に絞って学習する柔軟さも重要です。また、フランクフルト学派(p.246)など難度の高い理論については、志望先の過去問で実際に問われているか確認した上で、学習の優先順位を判断してください。







