生命科学,食品・栄養学,化学を学ぶための有機化学基礎の基礎 立屋敷 哲
有機化学は化学全体の中でも特に「なぜそうなるのか」という理屈が重要な分野です。編入試験では単なる反応暗記では対応できず、電子配置や分子式といった基礎概念の理解を問う問題が繰り返し出題されています。本書は「基礎の基礎」という書名の通り、有機化学を学ぶ前に必要な最も根本的な考え方を整理するために設計されています。
この本の位置づけ
本書は有機化学に初めて取り組む学生、特に高校化学から大学レベルの内容へ進むときのギャップを埋めることを目的とした入門書です。生命科学や食品栄養学といった応用分野を学ぶ際に必要になる有機化学の前提知識を、丁寧に説明することが主眼となっています。
同じ有機化学でも、構造式の書き方や反応機構を詳しく解説する一般的な教科書とは異なり、本書はより基礎的な層――電子の配置や分子式の意味といった、応用を支える土台――に特化しています。そのため、有機化学の全体像を習う前に「そもそもこれは何か」を理解したい受験生に適しています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入対策を始める初期段階、遅くとも本格的な有機化学の学習に入る1~2か月前に導入することをお勧めします。このタイミングで活用すれば、その後の教科書や演習がスムーズに理解できるようになります。
もし有機化学の学習を先に進めてしまい、「反応は覚えたけど原理が分からない」という状態で後から本書を読む場合、基礎概念の定着に時間がかかる可能性があります。逆に編入試験まで時間がない時期に導入すると、すぐに問題演習に進みたい受験生にとっては進度が遅れるリスクがあります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
お茶の水女子大学生活科学部
化学
頻出テーマ電子配置、分子式
本書の該当ページ分子式(p.17)、電子配置(p.200)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
本書は直線的に読み進める形式ですので、第1章から順番に読むことをお勧めします。各節を読んだ後は、該当する内容が過去問の中でどう問われているかを確認する学習サイクルが効果的です。
特にお茶の水女子大学の過去問で電子配置や分子式の問題に出会ったら、本書の該当箇所に戻って確認する習慣をつけてください。こうすることで、教科書の知識と実際の入試問題がどう結びついているかが明確になります。
有機化学の本格的な教科書や問題集に進む際には、分からない箇所が出てきたときの「辞書」としても活用できます。
注意点
本書の出版年が明記されていないため、記載されている情報や分類が最新の入試傾向と完全には一致しない可能性があります。特に化学の教育課程が変わっている場合は、高校化学の復習教材として使うのか、大学レベルの内容としているのかを確認した上で活用してください。
本書は「基礎の基礎」という性質上、有機化学の反応機構や複雑な構造式の解読といった、試験で頻出の応用的な内容は十分にカバーしていない可能性があります。したがって、本書だけで編入試験の化学対策が完結するわけではなく、その後に反応や機構を扱う教科書や問題集との組み合わせが必須です。







