社会学入門 筒井 淳也,前田 泰樹
社会学系の編入試験では、恋愛結婚やジェンダー、社会階層といった身近なテーマから社会学理論まで、幅広い論点が問われます。しかし教科書的な知識だけでは、出題者が求める「社会現象の見方」を身につけられず、記述式問題で深さが不足することが多いです。本書は出生から死に至るライフコースを通じて、社会学的な思考枠組みを学べる入門書です。立正大学、日本大学、奈良女子大学、お茶の水女子大学、明治大学の過去問で繰り返し出題されている論点の大半をカバーしており、編入対策の土台づくりに適しています。
この本の位置づけ
本書は社会学を初めて本格的に学ぶ受験生向けです。高等学校の教科書程度の知識がある、または全くの未学習から始まる方でも読み進められる難度に設定されており、難関大学の編入試験でも通用する理論的な深さを兼ね備えています。 社会学の他の入門書と異なり、本書は「人生のステージごとに社会学を見る」という構成になっています。抽象的な理論から始まるのではなく、出生・教育・仕事・家族・病気・死といった具体的なテーマを通じて、社会学的思考に自然に導かれる点が特徴です。そのため、社会問題やジェンダー、社会階層といった複数の分野にまたがる知識を有機的に結びつけやすくなっています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
導入時期は編入試験対策の初期段階、遅くとも試験の8ヶ月前までが目安です。この時期に読むことで、過去問演習で出題された個別の論点を理解する際の「背景知識」として機能し、単なる用語暗記ではなく深い理解につながります。 もし試験2〜3ヶ月前に導入した場合、短期間で全体像を把握することは難しく、重要な章の読み込みが不十分のまま過去問演習に進むリスクがあります。逆に対策を始めたばかりの段階で他の基礎参考書と並行して読むと、社会学の全体像が見えにくくなり、時間効率が低下することがあります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まずは第1章から第7章を順番に通読し、各章末の重要概念を確認することをお勧めします。初読時は細部の理論よりも、「なぜこのテーマが社会学の対象になるのか」という視点を意識しながら読み進めてください。 読み終えた後、志望大学の過去問で対応する分野(例えば家族論が出題された場合は第4章)に戻り、具体的な問題とのつながりを確認する往復学習が効果的です。この段階で過去問の設問に登場する用語や理論が、本書のどの部分に該当するかを自分で整理するノートを作成すると、知識の定着が格段に進みます。 繰り返しになりますが、本書を読んだだけで試験対策は完成しません。本書で全体像を理解した上で、志望大学の過去問を解き、足りない知識を専門参考書で補う、という流れが重要です。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.32 第1章 出生「女性の自己決定権」がここで扱われています
- p.70 第2章 学ぶ/教える「I-R-E 連鎖」がここで扱われています
- p.97 第3章 働く「エスノグラフィー」がここで扱われています
- p.111 第4章 家族「ケ アの社会化」がここで扱われています
- p.148 第5章 病む・老いる「無作為化比較実験」がここで扱われています
- p.177 第6章 死「人口動態統計」がここで扱われています
- p.224 第7章 科学・学問「エスノメソドロジー」がここで扱われています
注意点
本書は2008年代の刊行であり、統計データやジェンダー・女性のキャリアに関する社会状況が現在と異なる部分があります。過去問で「現在の日本社会」について出題された場合、本書の記述と最新の社会動向にズレがないか、別途確認することをお勧めします。 本書は「入門書」であり、難関大学の編入試験で出題される高度な社会学理論(例えば特定の学者による理論の詳細な展開)まで網羅しているわけではありません。過去問を解く中で「本書に載っていない理論が出題された」というケースが生じた場合は、その時点で専門参考書や学術論文に当たる必要があります。また、科学・学問(第7章)は試験での出題頻度が他の章より低いため、時間が限られている場合は優先順位を下げても問題ありません。







