日本語学入門 滝浦 真人
編入試験の国語・日本語学では、古典文法と現代日本語の両面から出題されることが多く、特に音韻体系や文法カテゴリーの歴史的背景を問う問題で受験生がつまずきやすい傾向にあります。本書は、日本語の音韻・文法・語彙がどのように成立し、どのような体系を持つのかを体系的に解説しており、編入対策で求められる「言語現象を理論的に理解する」という力を養うのに適しています。
この本の位置づけ
本書は大学1年生が日本語学の基礎を学ぶレベルを想定した入門書です。高度な理論書ではなく、平仮名の発達(p.42)やアクセント(p.69)など具体的な言語現象から日本語の構造を理解する作りになっています。
編入試験では古典文法と現代文法の両方が出題される点が特徴ですが、本書はその両者を統一的に扱っており、個別の暗記ではなく体系的な理解を促す構成になっています。多くの文法参考書が「形容動詞とは何か」を定義だけで説明する中で、本書はアスペクト形式の分類(p.130)など、より深い分析視点を提供します。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入受験の準備を始めた1年生の秋から冬の時期に導入することをお勧めします。この段階で本書を読むと、その後の過去問演習で「なぜこの文法が問われるのか」という背景理解ができるようになります。
もし3年生の春以降に導入する場合は、時間がないため過去問の該当箇所を逆引きしながら必要な章だけを参照する使い方になります。一方、1年生の春に導入するのは早すぎる可能性があります。基礎的な古典文法や現代文法の知識がない段階では、本書の内容が十分に消化しにくいためです。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず全体を通読して、自分の志望大学の過去問で繰り返し出題されている論点(漢文訓読、音韻史、ハ行転呼など)に当てはまる章を特定することから始めてください。例えば千葉大学を志望する場合は、p.69のアクセント、p.130のアスペクト形式、p.169の係り結びなどが優先度の高い章になります。
各章を読んだ後は、その内容が過去問でどのように出題されているかを確認する往復学習が効果的です。例えば平仮名の発達(p.42)を学んだ後、実際の古典作品(源氏物語や枕草子など)の問題で、その知識がどう活かされるかを試してみてください。本書は辞書的な参照も可能な構成なので、過去問演習中に疑問が生じたときに該当ページを引く使い方もあります。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.11 「国語学」専攻? 「日本語学」専攻?
- p.31 擬音語に当てる片仮名
- p.42 平仮名の発達
- p.69 アクセント
- p.95 幼児語と育児語
- p.130 アスペクト形式の分類
- p.169 係り結び
- p.182 卓立性から見た接続詞
注意点
本書の出版年が古い可能性があるため、常用漢字表など制度が変わった内容については、最新の公式資料で確認する必要があります。特に言語政策に関わる内容については注意してください。
本書は入門書であるため、編入試験で問われる古典語や日本語史の全範囲をカバーしているわけではありません。過去問で繰り返し出題される「漢文訓読」や「古典文学」の詳細な知識については、本書だけでは不十分な場合があります。その際は古典文法に特化した参考書や古文の教科書との組み合わせが必要になります。また、本書は理論的理解を促す内容が主体であるため、試験形式が「文法現象の識別」や「古文読解」といった実践的問題の場合は、別途問題演習教材で対策する必要があります。







