法学入門〔第3版〕 田中 成明
大学編入の法学対策で、受験生が最初につまずくのは「法学とは何か」という根本的な問いです。法実証主義、法治主義、法と道徳の関係といった基礎的な概念を理解しないまま過去問を解くと、出題者の意図が見えにくくなります。本書は法学の基礎理論を体系的に解説することで、編入試験で繰り返し出される論点への理解を深めるための土台を提供します。
この本の位置づけ
この本は、法学をほぼ初めて学ぶ受験生を想定した入門書です。高校までの公民程度の知識があれば読み進められ、大学1年次の早期段階から導入できます。法学部志願者はもちろん、全学部入試や他学部から法学部への編入を目指す受験生にも適しています。
同じく入門的な法学書は複数ありますが、本書の特徴は「法学の基本的な考え方」に焦点を当てる点です。個別の法律知識よりも、法解釈の方法論や法の機能、社会における法の役割といった、編入試験の論述問題で求められる思考の枠組みを重視しています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
この本は法学対策の初期段階、遅くとも編入対策を本格化させる3〜4ヶ月前には手をつけておきたい一冊です。早期に導入することで、後の過去問演習や判例学習がスムーズになります。
逆に過去問演習を始めた後に初めて読むと、試験までの時間が限られているため、基礎理論の習得に十分な時間を割けなくなる可能性があります。また、入試直前期の導入は、本書の内容を試験に反映させるまでの準備期間が不足しがちです。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
龍谷大学全学部
法学
頻出テーマ法解釈、法解釈の方法
本書の該当ページ法解釈の方法(p.253)、法解釈(p.173)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
読む順序としては、各章を前から順に進めることをお勧めします。最初の数章で法学的思考の基本を身につけ、その後、法実証主義や法と道徳の関係といった各論点へ進む構成になっているためです。
読む際は、単なる「理解」に留めず、各章で紹介される重要概念(法治主義、社会統制、規範的意味内容など)をノートに言葉で整理することが効果的です。これにより、後の過去問演習で「なぜこの法解釈が成り立つのか」という問いに対して、本書の理論的背景から答える力が身につきます。
過去問との往復としては、本書で基礎を学んだ後、実際の入試問題で同じ概念がどう出題されているかを確認する使い方が有効です。特に法実証主義や立法者意思といった理論的な論点は、過去問で具体例として問われるため、本書の抽象的な説明と問題文を結びつける作業を繰り返してください。
注意点
本書は第3版ですが、法学の基礎理論は比較的時間の経過に左右されにくい内容であるため、版の古さはそれほど大きな問題ではありません。ただし、医療倫理や非嫡出子に関する記述については、近年の法律改正や判例の変化に対応していない可能性があるため、該当部分は参考程度に留め、最新の判例や法改正の情報を別途確認してください。
もう一つの注意点として、本書はあくまで「理論の入門書」であり、具体的な判例解釈や各法律の詳細な規定を深掘りする内容ではありません。過去問で出題される民法や憲法といった個別法の知識は、本書では十分にカバーされていないため、法学部受験生は並行して各法律の基本書や過去問解説で補う必要があります。







