法学入門 早川 吉尚
編入試験で法学を初めて学ぶ受験生の多くが、用語の定義や法学特有の思考方法で戸惑います。本書は「法学を学ぶ意味」から「法の適用プロセス」まで、法学の基礎を体系的に理解するための入門書です。本記事では、編入受験生が本書をどのように活用すべきかをお伝えします。
この本の位置づけ
本書は法学を全く学んだことのない受験生を対象としています。法学部志望者であっても、編入試験直前まで法学に触れたことがない場合には、本書で基礎知識を整理する価値があります。
他の法学入門書と比べた特徴は、第1章から第4章にかけて「法学とは何か」という根本的な問いに時間をかけている点です。すぐに具体的な法律知識に進むのではなく、法学的な思考枠組みを先に習得させる構成になっています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
法学系の編入試験を決めた段階で、まずは本書で法学の全体像を把握することをお勧めします。本書を最初に読むことで、その後の単元別参考書や過去問演習に取り組む際に、個々の知識がどこに位置するかが明確になります。
逆に過去問演習をある程度進めてから本書に手を付けると、既に得た細部の知識に本書の内容が物足りなく感じられる可能性があります。編入対策の準備期間が限られている場合は、早めに読了することが重要です。
使い方
まず通読して法学の骨組みを理解することが基本です。1週目は第1章から第6章まで、法学の基礎概念と全体構造を一通り把握するペースで進めてください。
2週目以降は、過去問で出題された分野に関連する章を重点的に復習します。例えば民法の過去問を解いた後に、本書の「法の適用プロセス」(p.98)を参照して理論的背景を確認するという往復学習が効果的です。
合格者の体験談から、3周から5周程度の繰り返し読みが一般的であることがわかります。2周目以降は重要な論点に付箋を貼ったりメモを書き込んだりして、自分だけの「法学の地図」を作ることをお勧めします。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.2 第1章 「法学」を学ぶ意味「実務法曹」がここで扱われています
- p.32 第2章 「法学」とは何か「法的コミュニケーション能力」がここで扱われています
- p.49 第3章 「法」とは何か「民主制の過程」がここで扱われています
- p.66 第4章 法学における「法解釈論」「結論の社会的妥当性」がここで扱われています
- p.76 第5章 法学の分野「民事訴訟法」がここで扱われています
- p.98 第6章 法の適用プロセス「146条」がここで扱われています
- p.132 第7章「ウインカーのレバーの位置」がここで扱われています
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
入門ですが、法学初学者としては少し難しく感じた。2周した。
法政大学 法学部 合格(2026年度) / 法学
法学初学者でもわかる丁寧な解説が特徴で、5周繰り返し読み、キーボードや重要な論点に付箋をはったりメモを残したりしながら学習した。
大阪大学 法学部 合格(2026年度) / 法学
3周繰り返し読むことで、浅く広く法学の基礎を学ぶことができた。初学者に易しく、わからないところについて先生に質問しながら学習した。
京都大学 法学部 合格(2026年度) / 法学
有斐閣/末川博著。インプットとして1通り読んで、論述問題を解く時にも参考にした。3周実施。
名古屋大学 法学部 合格(2025年度) / 基礎法学
注意点
本書を「初学者向け」と評価する合格者がいる一方で、「少し難しく感じた」という体験談も寄せられています。法学用語に全く触れたことがない場合は、初回の読み込みに時間がかかることを想定してください。わからない箇所については、授業や先生への質問で補うことが有効です。
もう一つの注意点として、本書は「編入試験で実績のある対策書」としての分類データが当社に存在しません。つまり、編入試験の過去問で繰り返し問われている論点を特に収録しているわけではないということです。本書で基礎を学んだ後は、必ず受験予定大学の過去問で具体的な出題傾向を確認し、本書の内容と照らし合わせることが不可欠です。本書だけで編入試験に対応できるとは考えず、あくまで導入教材として位置づけてください。







