よくわかる電磁気学 前野 昌弘
電磁気学は編入試験で最頻出の科目ですが、ガウスの法則やアンペールの法則など抽象的な概念が多く、公式の丸暗記に陥りやすいです。本書は、これらの法則が「なぜ成り立つのか」という根本的な理解を重視しているため、単なる計算技法ではなく、現象の本質を掴むことができます。神戸大学・北海道大学・筑波大学など、編入試験で電磁気学の深い理解を問う大学の対策に適しています。
この本の位置づけ
本書は、高校物理から大学物理へのレベルアップを意識している受験生向けです。すでに基本的な電磁気学の知識がある程度ある(例えば、電場・磁場の概念は学んだことがある)受験生が、より体系的で厳密な理解へ進む際に活躍します。 他の参考書と比べると、本書は「よくわかる」というタイトル通り、概念の説明に丁寧さと図解を重視する傾向があります。数式の導出過程を省かずに丁寧に追えるため、ベクトル解析を使った電磁気学の記述に不安がある受験生にも適しています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の準備開始から3~4ヶ月前、つまり基礎科目の復習が一通り終わった段階で導入するのが目安です。編入試験まで半年以上ある時期に導入すれば、本書の丁寧な説明を十分に咀嚼する時間が確保できます。 一方、試験直前(2ヶ月以内)に初めて手にすると、丁寧な説明の分、読み終えるまでに時間がかかり、過去問演習や解法パターンの定着に時間を割く余裕がなくなる可能性があります。逆に、編入受験の準備を始めたばかりの段階で手にすると、基本概念がまだ定着していないため、本書の詳しい説明が却って理解の妨げになることもあります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
物理
頻出テーマ磁束密度、アンペールの法則、ガウスの法則、角運動量、角速度、エネルギー保存
本書の該当ページベクトルポテンシャル(p.226)、電気力(p.20)、磁束密度(p.247)
物理
頻出テーマエネルギー保存、円運動、万有引力、ビオ・サバールの法則、磁束密度、円電流
本書の該当ページ円電流(p.208)、荷電粒子の運動(p.221)、ビオ・サバールの法則(p.195)
電磁気学
頻出テーマ静電ポテンシャル、静電場、ガウスの法則、アンペールの法則、ビオ・サバールの法則
本書の該当ページ静電場(p.118)、静電ポテンシャル(p.82)、ビオ・サバールの法則(p.195)
京都工芸繊維大学工芸科学部
専門基礎(力学,電磁気学,電気回路)
頻出テーマ点電荷、アンペールの法則、角運動量、静電気学
本書の該当ページアンペールの法則(p.186)、静電気学(p.144)、点電荷(p.100)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
本書は通読型の参考書です。電磁気学の単元を順を追って読み進め、各章で示される図解と式の導出を追いながら、「なぜこの法則が成り立つのか」を自分の言葉で説明できるようになるまで読み込むことをお勧めします。 読み進める際は、ノートに式の導出過程を自分で書き直す作業が効果的です。特にガウスの法則、アンペールの法則、ビオ・サバールの法則など、編入試験で頻出の法則については、本書の説明を参考に、導出の各ステップの意味を理解することが重要です。 本書で概念を固めた後、大学別の過去問に取り組む際には、過去問で問われた現象が本書のどの単元と対応しているかを確認し、必要に応じて該当箇所に立ち戻る使い方が効果的です。
注意点
本書の出版年が相対的に古い可能性があるため、最新の入試傾向と照らし合わせながら使用してください。特に、大学によって電磁気学の出題範囲や難易度にばらつきがあるため、本書で学んだ内容が志望大学の過去問にどの程度反映されているかを事前に確認することが重要です。 また、本書は物理現象の理解を重視する教科書的なアプローチのため、計算量が多い問題や、電気回路の実践的な問題については、別途問題集で補強が必要な場合があります。特に京都工芸繊維大学など、電気回路を含む出題がある場合は、本書だけでなく回路専門の参考書との併用を検討してください。







