編入数学徹底研究
編入数学では、微分積分・線形代数・微分方程式が単独で問われるのではなく、複数の単元が組み合わさった問題が頻出です。特に行列の対角化やベクトル解析など、単元同士のつながりを理解していないと解法の道筋が見えなくなります。本書は、編入試験に出やすい論点を網羅し、各単元の計算技法だけでなく概念の結びつきを習得するために設計されています。
この本の位置づけ
本書は、国立大学の理学系・工学系編入試験(筑波大学、神戸大学、大阪大学、東北大学など)の標準的な出題レベルに対応した受験生向けです。高校数学の基本は身についているが、大学編入試験の出題パターンに対応するには問題演習が不足しているという段階の受験生に適しています。
他の参考書との違いは、編入試験の過去問分析に基づいて論点が選定されている点です。ベクトル空間、行列の階数、確率変数、特性方程式、ロピタルの定理など、編入試験で繰り返し問われる単元に特化しており、一般的な大学の微積分・線形代数教科書より編入対策に直結した構成になっています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
本書の導入時期は、出願する大学の過去問を1年分見終わったあとが目安です。志望大学の出題パターンを認識したうえで、系統立てた演習に進むことで、学習効率が高まります。遅くとも出願4ヶ月前には1周目を終わらせておくと、その後の過去問演習との往復がスムーズになります。
逆に早すぎるスタート(出願10ヶ月以上前)は避けた方が無難です。この段階だと、どの単元が重要かの判断がまだできず、本書の効果を最大限に引き出せません。遅すぎる導入(出願2ヶ月以内)は、問題を解く時間が不足するため、例題の理解に留まり、演習問題を仕上げられないリスクが生じます。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
数学
頻出テーマベクトル空間、行列の階数、正則行列、期待値、行列の対角化、確率変数
本書の該当ページ線形写像の表現(p.120)、微分作用素(p.57)、小行列式(p.107)、確率変数(p.154)
信州大学理学部
数学
頻出テーマベクトル空間、正則行列、重積分、複素数、変数変換、微分積分
本書の該当ページ2次形式(p.151)、R^4(p.78)、ベクトル空間(p.118)、微分積分(p.286)
京都工芸繊維大学工芸科学部
数学
頻出テーマ連立微分方程式、特性方程式、初期条件、1階線形微分方程式、ヘッシアン、ロピタルの定理
本書の該当ページ行列式の計算(p.105)、連立微分方程式(p.139)、ロピタルの定理(p.7)、1階線形微分方程式(p.80)
お茶の水女子大学理学部
数学
頻出テーママクローリン展開、線形代数、漸化式、逆行列、部分積分、ベクトル解析
本書の該当ページマクローリン展開(p.49)、漸化式(p.161)、部分積分(p.12)、ベクトル解析(p.192)
数学
頻出テーマ重積分、極座標変換、対角化、固有空間、線形代数、ベクトル空間
本書の該当ページベクトル空間(p.118)、重積分(p.70)、対角化(p.137)、変数変換(p.73)
東京都立大学システムデザイン学部
数学
頻出テーマ行列の対角化、逆行列、確率密度関数、線積分、部分積分、対角化
本書の該当ページ平行六面体の体積(p.196)、平行六面体(p.196)、大きさ(p.144)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
合格者の体験談から、この本は最低2周することを前提に作られています。1周目は解説を丁寧に読みながら、例題の解法の流れと計算テクニックを手を動かして身につけることに注力してください。特に微分積分、線形代数、微分方程式の公式については、式を書き写すだけでなく、なぜその式が成り立つのか、どのステップで使うのかを確認しながら進みます。
2周目以降は、例題を見て自力で方針を立てられるか、計算を正確に進められるかを確認する段階に移ります。できなかった問題には印をつけ、3周目で集中的に復習してください。本書を終えたら、志望大学の過去問に進み、本書で習得した解法がどう応用されているかを検証します。その際、過去問で新しい手法が出てきたら、本書に戻って関連単元を確認する往復学習が効果的です。
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
細かく復習し、何回か周回してできないところを潰した。2周使用。
長岡技術科学大学 工学部 合格(2026年度) / 数学
2周して、1周目は解説を見ながら解法の流れを理解することを優先し、2周目以降は自力で方針を立てられるかを確認しながら解き直した。微分積分、線形代数、微分方程式は特に公式だけでなく計算の流れまで手を動かして身につけるようにした。
東京農工大学 工学部 合格(2026年度) / 数学
8月から5月まで勉強し、初めは例題を理解するためにじっくり時間をかけた。2月から2周目を始め、例題以外の問題も解いた。
東京農工大学 工学部 合格(2026年度) / 数学
推薦試験に落ちた時に学力試験を受けるため勉強したが、農工の数学は簡単なためあまり必要なかった。他の大学も受ける人は必須だと思う。
東京農工大学 工学部 合格(2026年度) / 数学
注意点
本書の具体的な出版年が確認できないため、出版からの経過年数によっては、最新の編入試験の傾向とのずれがある可能性があります。導入前に、志望大学の直近3年分の過去問と本書の単元を照らし合わせ、カバーされていない論点がないか確認することをお勧めします。
また、本書は標準~やや難程度の大学の対策に最適ですが、志望大学によって難易度の要求が異なります。例えば、地方の工学部で微分積分と線形代数の基本問題のみ出題される場合、本書の内容は過剰になる可能性があります。逆に、難関大学の理学部では、本書の範囲では足りない単元(確率論の深い内容やベクトル解析の発展的な応用など)が出題されることもあります。自分の志望大学の出題傾向をまず把握したうえで、本書の活用度合いを判断してください。







