工学系の力学
力学は編入試験で頻出の科目ですが、高校物理と大学物理の橋渡しで躓く受験生が多くいます。特に微積分を使った運動方程式の立て方や、エネルギー・運動量保存則の応用問題では、概念の理解が不十分なまま計算に進んでしまいがちです。本書は工学系の視点から力学を体系的に解説し、編入試験に必要な基礎固めを支援します。
この本の位置づけ
本書は工学系学部の入試や編入試験を想定した受験生、特に物理の基礎をやり直したい方向けの参考書です。高校物理の知識がある程度ある状態で、大学レベルの厳密な力学を学ぶために適しています。
同じ力学を扱う参考書の中でも、本書は工学的応用を意識した構成になっているため、機械工学・航空工学系の編入試験を受ける場合には特に有用です。一方、物理学科向けの理論物理の参考書とは異なり、より実践的な問題解法に重きを置いている傾向があります。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の準備を始める時期、つまり大学1年生の冬〜2年生の春に導入することをお勧めします。この時期に基礎を固めることで、その後の演習問題や過去問への取り組みがスムーズになります。
逆に準備の後期段階(試験3ヶ月前以降)に初めて本書に取り組むと、基礎学習に時間を取られて応用問題の対策が十分にできなくなる可能性があります。また早すぎる導入も避けるべきで、高校物理の内容が曖昧なままでは、本書の内容を十分に消化できません。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
東京農工大学工学部
数学
頻出テーマ力の分解、拘束条件、角加速度、等速円運動、摩擦係数、力の大きさ
本書の該当ページ力の分解(p.33)、拘束条件(p.123)、角加速度(p.109)、等速円運動(p.143)
物理
頻出テーマ角加速度、拘束条件、剛体振り子、平面運動、動摩擦、剛体の運動
本書の該当ページ角加速度(p.109)、拘束条件(p.123)、剛体振り子(p.181)、平面運動(p.100)
数学物理化学
頻出テーマ角加速度、偶力のモーメント、平面運動、動摩擦力、力の大きさ、力学的エネルギー保存
本書の該当ページ角加速度(p.109)、偶力のモーメント(p.51)、平面運動(p.100)、動摩擦力(p.203)
物理化学
頻出テーマ動滑車、剛体振り子、平面運動、鉛直方向、力学的エネルギー保存、剛体の運動
本書の該当ページ動滑車(p.124)、剛体振り子(p.181)、平面運動(p.100)、鉛直方向(p.133)
物理数学
頻出テーマ力の合成、角加速度、動摩擦力、直方体、初速度、力のモーメント
本書の該当ページ力の合成(p.30)、角加速度(p.109)、動摩擦力(p.203)、直方体(p.174)
物理英語
頻出テーマ角加速度、拘束条件、微小要素、力学的エネルギー保存、動摩擦、力のモーメント
本書の該当ページ角加速度(p.109)、拘束条件(p.123)、微小要素(p.161)、力学的エネルギー保存(p.214)
東京都市大学理工学部
物理
頻出テーマ角加速度、力の分解、衝突直後、動摩擦力、力学的エネルギー保存、動摩擦
本書の該当ページ角加速度(p.109)、力の分解(p.33)、衝突直後(p.195)、動摩擦力(p.203)
京都工芸繊維大学工芸科学部
物理
頻出テーマ力学的エネルギー保存、断面積、剛体の運動、物理量、力のモーメント、エネルギー保存
本書の該当ページ力学的エネルギー保存(p.214)、断面積(p.84)、剛体の運動(p.161)、物理量(p.22)
お茶の水女子大学理学部
数学物理
頻出テーマ等速円運動、角加速度、力のモーメント、エネルギー保存、ポテンシャルエネルギー、垂直抗力
本書の該当ページ等速円運動(p.143)、角加速度(p.109)、力のモーメント(p.46)、エネルギー保存(p.214)
名古屋工業大学工学部
物理
頻出テーマ動摩擦力、力学的エネルギー保存、円軌道、ポテンシャルエネルギー、垂直抗力、エネルギー保存
本書の該当ページ動摩擦力(p.203)、力学的エネルギー保存(p.214)、円軌道(p.148)、ポテンシャルエネルギー(p.219)
大阪公立大学工学部
物理
頻出テーマ角加速度、剛体振り子、剛体の運動、振り子、慣性モーメント、単振動
本書の該当ページ角加速度(p.109)、剛体振り子(p.181)、剛体の運動(p.161)、振り子(p.181)
長岡技術科学大学工学部
物理
頻出テーマ力のモーメント、エネルギー保存、垂直抗力、つり合い、ポテンシャルエネルギー、運動量保存
本書の該当ページ力のモーメント(p.46)、エネルギー保存(p.214)、垂直抗力(p.38)、つり合い(p.56)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
本書は第1章から順番に読み進めることをお勧めします。各章を読むときは、単に文字を追うだけでなく、式の導出過程を自分のノートに手書きして確認することが大切です。特に微積分を使った運動方程式の部分では、途中の計算を省かずに追う習慣をつけましょう。
一通り読み終えた後は、各章末の問題に取り組み、その後に過去問の力学分野を解いてみてください。過去問で正答できない問題が出た場合は、本書に戻って該当する単元を復習し、その後再度過去問に挑戦するという往復学習が効果的です。
注意点
本書の出版年が不明なため、掲載されている事例や参考資料が現在の編入試験の出題傾向に完全に対応しているかどうかは確認が必要です。出版年が古い場合は、最新の過去問で力学の出題形式を先に確認した上で、本書をサポート教材として活用することをお勧めします。
また、本書が対応している具体的な大学・学部の編入試験が明確でないため、購入前に自分が受験予定の大学の過去問と照らし合わせ、本書の内容がその試験に適切であるかを検討してください。難易度のミスマッチがないか、また本書でカバーされていない単元が試験に出題されていないかの確認が重要です。




