政治学 = Understanding Politics 新川 敏光 ,大西 裕 ,大矢根 聡
編入試験の政治学では、単に民主主義や選挙制度の仕組みを知るだけでなく、現代政治が直面する課題をどう分析するかが問われます。本書は政治学の基礎概念から現代的な政治現象まで、体系的に解説する教科書です。日本大学、筑波大学、三重大学の政治学編入試験で出題実績が高い論点を広くカバーしており、出題傾向に合った学習ができます。
この本の位置づけ
本書は大学1年生から編入受験直前まで、政治学の講義を補う標準的な教科書として位置づけられます。高卒レベルの政治学知識がある受験生なら無理なく読み進められますが、政治学の入門書ではなく大学の講義用であるため、はじめて政治学を学ぶ方は別途入門書で基礎を固めてからの使用をお勧めします。
同じ政治学でも、理論的な深さや事例の豊富さで他の参考書と異なります。本書は民主主義や官僚制など普遍的なテーマを軸にしながら、新自由主義や福祉レジームなど現代的な分析枠組みも盛り込んでいるため、編入試験で出やすい「比較政治」や「権力構造」の問題に対応できます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
政治学の講義がある場合は、その進度に合わせて対応する章から読み始めるのが効果的です。編入試験まで1年以上ある場合は、春から秋にかけて全体を一度通読し、秋から冬にかけて過去問に出た論点を重点的に復習する流れが理想的です。
逆に出願直前に初めて手にすると、知識の定着が間に合わず、過去問演習の時間が不足する可能性があります。また編入試験が近い場合でも、全章を読む必要はなく、受験校の過去問に出た論点から優先的に学ぶなど、メリハリをつけた活用をお勧めします。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず目次で全体像を把握したのち、自分が受験する大学の過去問を確認し、出題されている論点から読み始めてください。民主主義(p.49)、選挙制度、圧力団体(中間団体、p.107)、官僚制(p.159)など、頻出論点は複数の大学で重なっているため、これらを優先的に学ぶと効率が高まります。
一章を読んだら、その内容が過去問でどう出題されているかを確認し、「教科書の説明→過去問で確認→もう一度教科書に戻る」という往復を繰り返してください。特に「勢力均衡」「福祉レジーム」など理論的な概念は、教科書だけでは抽象的に感じるため、過去問の具体的な問い方を見ることで理解が深まります。
本書は辞書的に使うこともできます。過去問で出てきた用語が曖昧な場合、目次から該当ページを探して確認する使い方も有効です。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.29 シティズンシップ
- p.49 実証的民主主義論
- p.67 新自由主義
- p.72 全体主義
- p.107 中間団体
- p.123 マスメディアの影響力
- p.159 信託者としての官僚制
- p.170 いかなる機関に政策実施を委ねるか
注意点
本書の初版がやや年数を経ているため、最新の政治動向(2020年代以降の新自由主義の転換など)については、別途時事的な資料や最新の過去問で補う必要があります。
本書は大学の講義用教科書であるため、解説が学術的で理論的な側面が強く、政治学の用語に未習熟な受験生は読みにくさを感じるかもしれません。その場合は先に高校の政治経済の教科書や編入向け入門書で、シティズンシップ、民主主義、権力などの基本的な概念を確認してから臨むことをお勧めします。
また本書は法学系の論点(憲法、行政法)までは詳しく扱わないため、法学部の編入試験で憲法や法理論が重く出される場合は、別途法学の参考書を用意する必要があります。







