Law Practice刑法 佐久間 修 ,高橋 則夫 ,松澤 伸 ,安田 拓人
刑法の編入試験では、犯罪成立の基本となる故意・過失の成立要件や、具体的な事案での法適用が問われます。特に事実の錯誤や危険性の判断といった論点は、受験生が理論と事案の照合で迷いやすい領域です。本書は大学院レベルの刑法学習を想定した実践的な問題集であり、近畿大学大学院の入試で繰り返し出題されている論点に対応しています。
この本の位置づけ
本書は大学の法学部で基礎刑法を修了した学生、または編入後に大学院進学を視野に入れた受験生向けです。基本的な刑法概念(構成要件、違法性、責任)の理解を前提としており、その応用段階での問題演習に適しています。
一般的な編入対策書との違いは、単なる知識整理ではなく、判例や学説の対立を踏まえた論証形式での練習ができる点です。特に具体的危険説と客観的危険説など、解釈上対立している論点については複数の立場が示されるため、試験で求められる「論理的な主張の構築」を意識した学習が可能です。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験対策として、基本的な刑法知識を一通り習得した後期段階(準備期間の5~6ヶ月前)から導入することが目安です。早すぎる時期に着手すると、基礎的な概念の曖昧さが原因で問題解説の理解が進まず、時間効率が低下します。
逆に試験直前期に初めて手にすると、問題演習と解説検討のサイクルが完結せず、得た知識を整理・定着させる時間が不足するおそれがあります。試験の2~3ヶ月前までには少なくとも1周完了しておくことが理想的です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
近畿大学大学院全学部
刑法
頻出テーマ事実の錯誤、客観的危険説、具体的危険説
本書の該当ページ事実の錯誤(p.27)、客観的危険説(p.70)、具体的危険説(p.73)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず目次がない場合は、本書の「序文」や「はじめに」で扱う論点の全体像を把握してから進めてください。事実の錯誤、客観的危険説、具体的危険説は特に近畿大学大学院での出題頻度が高いため、これらの単元を優先的に取り組みます。
各問題について、解答を見る前に自分で「どの要件が問題か」「どの立場なら成立するか」を紙に書いて整理する習慣をつけてください。法律論述は頭で考えるだけでなく、論証の筋道を書く訓練が合格のカギです。解答例を参考にしながら、自分の論述との「表現」「論理の順序」「法的根拠の引き方」を比較検討します。
過去問との往復学習としては、本書で理解した論点について、実際の近畿大学大学院の過去問でどのように出題されたかを確認することが効果的です。本書の問題設定と試験問題の共通点・相違点を意識することで、応用力が高まります。
注意点
本書の出版年が確認できない場合は、刑法の重要判例(特に危険性の評価方法に関する最新判例)が反映されているか、出版社に問い合わせるか図書館で版の新しさを確認することをお勧めします。刑法は比較的判例の変更が少ない領域ですが、危険説の判断基準に関する新しい判決が出ている可能性があります。
本書が大学院レベルを想定しているため、問題の難易度が編入試験の水準を上回る場合があります。すべての問題が同等の重要度ではない可能性を認識し、近畿大学大学院の出題傾向に沿った論点選別が必要です。特に事実の錯誤、客観的危険説、具体的危険説に関連する問題に集中することで、効率的な学習ができます。
また、本書だけでは刑法全体の知識補強はできません。基本的な構成要件や違法性の理解が不確かな場合は、別途基本書や判例集で復習してから本書に臨むことをお勧めします。







