手を動かしてまなぶ線形代数 続 藤岡 敦
線形代数は大学編入の数学試験で頻出ですが、抽象的な概念が多く、公式の使い方だけでは理解が進まないと感じる受験生も多いです。本書は「手を動かす」というアプローチで、計算を通じて線形代数の理論を身につけることを目指しています。
この本の位置づけ
本書は線形代数の基礎をすでに学んだ受験生が、より深い理解を求めるときに選択肢となります。初学者向けというより、一度学んだ内容を手を動かしながら体系的に整理し直したい受験生に適しています。
同じシリーズの基礎編や他の線形代数教科書とは異なり、本書は「続」という位置づけで、より進んだ内容や応用的な視点を扱っているという点が特徴です。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
線形代数の基本概念(ベクトル、行列、行列式、固有値など)をひと通り学んだ後に、知識を統合させるために導入するのが効果的です。編入試験の過去問演習に入る直前や並行して進めると、理論と問題解法がつながりやすくなります。
早すぎる導入は、基本的な概念がまだ定着していない状態で進むため、かえって混乱につながる可能性があります。遅すぎる場合は、試験前に急いで読むことになり、じっくり手を動かす時間が確保できなくなります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
お茶の水女子大学理学部
数学
頻出テーマ固有多項式、最小多項式、固有空間、ユニタリ行列、エルミート行列、直交化
本書の該当ページ固有多項式(p.107)、最小多項式(p.102)、固有空間(p.105)、ユニタリ行列(p.159)
数学
頻出テーマスペクトル分解、固有多項式、べき乗、固有空間、正規直交基底、ベクトル空間
本書の該当ページスペクトル分解(p.96)、固有多項式(p.107)、べき乗(p.114)、固有空間(p.105)
数学物理
頻出テーマ同時対角化、べき乗、固有空間、正規直交基底、ベクトル空間、多項式
本書の該当ページ同時対角化(p.23)、べき乗(p.114)、固有空間(p.105)、正規直交基底(p.171)
数学
頻出テーマ同値関係、固有空間、小行列式、正規直交基底、ベクトル空間、多項式
本書の該当ページ同値関係(p.242)、固有空間(p.105)、小行列式(p.201)、正規直交基底(p.171)
信州大学理学部
数学
頻出テーマ固有空間、正規直交基底、2次形式、ベクトル空間、対角化
本書の該当ページ固有空間(p.105)、正規直交基底(p.171)、2次形式(p.192)、ベクトル空間(p.47)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
目次構成が確認できていないため、正確な読む順序については把握していません。一般的には、各章で理論が説明された後、演習問題に取り組む流れだと予想されます。
「手を動かす」という学習方法に従い、書かれている計算例をノートに写すだけでなく、途中式を自分で埋めたり、別解を考えたりしながら進めることが重要です。また、線形代数が出題される編入試験の過去問で類似の問題に当たったとき、本書の該当箇所に立ち戻り、理論と実際の出題とのつながりを確認する使い方も有効です。
注意点
本書の出版年が不明なため、編入試験の出題傾向との時間的ズレについては確認が必要です。特に理工系の編入試験では、大学によって線形代数の出題範囲が異なるため、本書が扱う内容と志望先の過去問の頻出論点が一致しているか、事前に確認することをお勧めします。
また、本書が「続」という位置づけのため、基礎編なしに本書単独で学習を始めると、前提知識の不足により進みが悪くなる可能性があります。自身の学習段階を正確に把握した上で導入してください。




