くわしすぎる構造力学演習 1 (M・Q・N図編) 岡田 章,宮里 直也
構造力学は、建築学系や土木工学系の編入試験で頻出科目ですが、抽象的な力の流れを理解するまでが大きな壁になります。本書は「くわしすぎる」というタイトルの通り、せん断力図(Q図)、曲げモーメント図(M図)、軸力図(N図)の描き方を、基礎から丁寧に解説する演習書です。
この本の位置づけ
本書は、講義で習った構造力学の基本概念をひと通り理解した受験生が、図解法や計算法をさらに深掘りしたいときに活躍します。数式を追うだけでなく、なぜその図になるのかという力学的背景を学びたい学習者向けです。
同じ分野の演習書の中では、本書は「詳しさ」に振り重点を置いています。すでに標準的な教科書で学んだ内容を、より多くの例題と丁寧な図を通じて、応用力を高めていくアプローチです。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
構造力学の基本単元(静定梁、静定ラーメンなど)を学校の講義で習い終わった時点から使い始めるのが理想的です。早すぎる導入は、基本概念がまだ定着していない段階での過度な詳細情報となり、混乱を招くおそれがあります。
逆に試験の直前期に初めて手にすると、量が多いため消化しきれない可能性があります。遅くとも編入試験の3~4ヶ月前には学習を開始し、余裕を持って演習を積む計画が望まれます。
使い方
本書の活用は、まず目次または序論で学習の流れを確認し、自分が対策すべき図の種類を把握することから始めます。その後、各章の解説例を読みながら、図を描く手順を自分の手で何度も再現することが重要です。
演習では、全ての問題に取り組む必要はなく、過去問で出題されている構造形式(単純梁、片持梁、ラーメンなど)に該当する部分を優先的に学習することをお勧めします。過去問で自分が図を描き間違えた設問について、本書で該当する例題や解説を遡って確認し、理解を深める往復学習が効果的です。
注意点
本書は出版年から一定の時間が経過しているため、問題の出題形式や、最新の建築基準に基づく設計思想が、現在の編入試験と必ずしも一致しない可能性があります。参考書として活用する際は、志望校の過去問で実際に問われている形式を確認した上で、本書の該当部分を選別して学習してください。
また、本書で扱われているのはM、Q、N図の描き方であり、応力度の計算や部材設計のような後続段階の内容は含まれていません。構造力学試験で応力度や断面力の計算が問われる場合は、別途対策が必要になることに注意が必要です。







