弱点克服大学生の電磁気学 石川 裕
電磁気学は編入試験で最頻出の科目ですが、ガウスの法則やアンペールの法則など抽象的な概念が多く、苦手意識を持つ受験生が少なくありません。本書は「弱点克服」というタイトルの通り、受験生がつまずきやすい箇所を重点的に扱っています。名古屋工業大学、大阪大学、北海道大学など難関大学の編入試験で繰り返し出題されている論点を、実践的に学べる構成になっています。
この本の位置づけ
本書は、高校物理の知識がある程度あり、電磁気学の全体像は把握している受験生を対象としています。教科書では説明が簡潔すぎてわかりにくい部分や、問題演習で同じパターンのミスを繰り返す箇所に対して、詳しい解説と体系的な練習問題を提供します。 他の参考書と異なる点は、編入試験で実際に出題された問題の構成が反映されており、ガウスの法則、アンペールの法則、インダクタンス、過渡現象など、頻出分野の解説と演習が充実していることです。基礎参考書よりも、試験に直結した学習ができます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
本書の導入は、電磁気学の基礎概念をひと通り学んだ大学1年生の秋冬、または大学2年生の春夏が目安です。演習中心の構成のため、教科書で基本事項を理解してから使うと効果的です。 導入が早すぎる場合、解説だけでは基礎が不十分なため、別の教科書で補う必要が生じます。一方、編入試験の直前期に初めて手にすると、周回して定着させるまでの時間が不足する可能性があります。合格者の多くは2〜4周行っているため、試験の3〜4ヶ月前までには開始したい教材です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
名古屋工業大学工学部
物理
頻出テーマガウスの法則、アンペールの法則、自己インダクタンス、相互インダクタンス、直流回路、ブリッジ回路
本書の該当ページブリッジ回路(p.58)、コイル(p.170)、相互誘導(p.175)
物理
頻出テーマ初期条件、磁束密度、ローレンツ力、ビオ・サバールの法則、起電力
本書の該当ページビオ・サバールの法則(p.132)、起電力(p.170)、ローレンツ力(p.208)
物理
頻出テーマ円運動、ビオ・サバールの法則、磁束密度、円電流、荷電粒子の運動
本書の該当ページ荷電粒子の運動(p.206)、円運動(p.208)、ビオ・サバールの法則(p.132)
電磁気学
頻出テーマ静電ポテンシャル、ガウスの法則、アンペールの法則、ビオ・サバールの法則
本書の該当ページ静電ポテンシャル(p.22)、ビオ・サバールの法則(p.132)、ガウスの法則(p.8)
昭和大学歯学部
物理
頻出テーマ電気抵抗、並列回路、内部エネルギー
本書の該当ページ並列回路(p.186)、電気抵抗(p.152)、内部エネルギー(p.68)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
本書の問題を解く際は、解説を読むだけでなく、必ず自分で計算過程を紙に書いて進めてください。合格者の体験談から、わからない部分が出たら別の教科書で基礎概念を確認し、再度本書の問題に戻るという往復学習が有効だとわかります。 1周目は全問に取り組み、2周目以降は間違えた問題や理解が曖昧な分野を重点的に繰り返します。編入試験の過去問演習に入る前に、本書で問題パターンを十分理解しておくと、実際の問題での応用がスムーズになります。 各章で扱うテーマ(直流回路、コンデンサー、ローレンツ力など)ごとに、その後の過去問演習で該当問題を集中的に解く使い方も効果的です。
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
2周行い、多くの体験談でおすすめされていたため選択。演習を行い、わからない部分は別の参考書で基礎から固め直し、最終的に自力で解けるようになるまで周回した。
東京農工大学 工学部 合格(2026年度) / 物理
2周行った。
大阪大学 工学部 合格(2026年度) / 物理
4周して、編入実際に出た問題で構成されており全部解けるまで周回した。構成は素晴らしいが絶版で入手しづらく誤植が多いため、電磁気学初学者には使いづらいかもしれない。
大阪大学 工学部 合格(2025年度) / 物理
解説が丁寧で難易度が適切であり、2周して適宜教科書を参照することで理解を深めた。
名古屋工業大学 工学部 合格(2026年度) / 物理
注意点
本書は現在絶版となっており、入手が難しくなっています。中古での購入を検討する場合は、事前に在庫確認をしっかり行ってください。 合格者の報告によれば、誤植が複数存在するため、計算結果が合わない場合は解答を鵜呑みにせず、自分の計算過程を確認することが重要です。誤植がある部分については、別の信頼できる参考書や教科書で検証するとよいでしょう。 本書は演習問題が豊富で難易度も編入試験に適していますが、電磁気学を全く初めて学ぶ受験生にとっては、解説だけでは基礎概念の理解が不足する可能性があります。その場合は、教科書や基礎参考書と併用することをお勧めします。







