憲法 1 新井 誠 ,曽我部 真裕 ,佐々木 くみ,横大道 聡
編入試験の憲法では、違憲審査権や立憲主義といった基礎概念の理解が求められます。しかし教科書によっては抽象的な説明にとどまり、実際の判例とのつながりが見えづらいことがあります。本書は憲法の根本的な考え方から体系的に解説し、編入試験で繰り返し問われる論点を確実に押さえられる構成になっています。
この本の位置づけ
本書は、大学で初めて憲法を学ぶ学生を主な対象としています。高校の公民程度の前提知識で読み進められ、難しすぎる理論展開を避けながらも、学説の対立や判例の意義をていねいに説明しています。
同じ新井誠らの著作でも、より詳細な判例検討や学説史を扱う参考書とは異なり、本書は「なぜそのような制度が必要なのか」という立憲主義の思想的背景から入ることが特徴です。編入試験では論述問題で制度の根拠を問われることが多いため、この背景理解が有利に働きます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入対策の憲法学習は、本書で基礎概念を固めてから進めることをお勧めします。遅くとも過去問演習の3ヶ月前には読み終えるのが目安です。
もし本書を導入せず、いきなり判例集や過去問に取り組むと、違憲審査制度の全体像がつかみにくく、個別の判例の位置付けが理解できないまま丸暗記に頼ることになります。一方、入学直後から始めれば、その後の講義や判例学習がより実りのあるものになります。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
第2章から第9章まで章立てされていますので、指定教科書や講義の進度に合わせて対応する章を読むのが効率的です。一度通読してから、過去問で出題された論点に関連する章に戻り、具体的な判例や制度設計の考え方を確認する使い方も有効です。
各章を読む際は、その単元の要点をノートにまとめ、過去問で問われた場合にどう答えるかを意識しながら読み進めてください。特に違憲審査権や違憲判決の類型については、本書の説明を軸に、過去問の出題文と照らし合わせて理解を深めることをお勧めします。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.26 第2章「サンフランシスコ講和条約」がここで扱われています
- p.40 第3章「集団的自衛権」がここで扱われています
- p.50 第4章「行政裁判所」がここで扱われています
- p.58 第5章「国民主権」がここで扱われています
- p.81 第6章「選挙運動の自由」がここで扱われています
- p.89 第7章「浦和充子事件」がここで扱われています
- p.113 第8章「条約法に関するウィーン条約」がここで扱われています
- p.143 第9章「ロッキード事件」がここで扱われています
注意点
本書は2010年代の出版物です。その後の判例や法改正が加わっていないため、受験対策として使う際は、過去問や予備校の最新資料で新しい判例の追加学習が必要な場合があります。
また本書は「憲法1」であり、憲法の総論や統治機構に重点を置いています。基本的人権に関する論点を多く問う大学・学部の過去問を分析した上で、本書だけでカバーできているかを確認してください。必要に応じて、基本的人権を扱う参考書との組み合わせが不可欠になります。







