編入数学入門 講義と演習 桜井 基晴
編入数学では、微分積分と線形代数の融合的な問題が頻出であり、高度な計算技法を要する問題に直面する受験生は多いです。特に重積分や行列の対角化、数列の極限といった単元は、基礎概念の習得から応用問題への橋渡しが難しく、つまずく受験生が少なくありません。本書は「講義と演習」という構成を通じて、これらの重要単元を系統的に学べる参考書です。
この本の位置づけ
本書は高専卒業生や大学1~2年の編入受験生を主な対象としており、編入試験に必要な数学を基礎から応用レベルまで段階的に習得できるよう設計されています。講義パートで概念を理解してから演習問題で定着させるという明確な学習ステップが特徴です。
他の編入数学参考書と比べると、本書は「講義と演習の一体化」に重点を置いています。理論を学んだ直後に関連する問題を解く流れになっており、理解と計算技能の両立を図りやすい点が異なります。著者は編入数学対策の専門家として知られており、編入試験で実際に出題される論点(逆行列、行列の対角化、変数変換、重積分、部分積分など)を厳選して収録しています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
本書の導入は大学編入を決めた時点、遅くとも受験開始の8~9か月前から始めるのが目安です。編入数学の全体像を把握し、苦手分野を特定するために、早めに着手することで余裕を持った対策が可能になります。
導入が遅すぎると(3~4か月前以降)、すべての章を丁寧に学ぶ時間がなくなり、演習の繰り返しが十分にできなくなる可能性があります。逆に導入が早すぎる場合の大きな問題は生じにくいですが、学習内容の定着度を確認しながら進めることが重要です。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
東京工科大学全学部
数学
頻出テーマ三角関数、部分分数分解、部分積分、複素数、絶対値
本書の該当ページ絶対値(p.114)、複素数(p.112)、三角関数(p.40)
熊本大学全学部
微分積分
頻出テーマ中間値の定理、重積分、変数変換、対数関数
本書の該当ページ中間値の定理(p.63)、対数関数(p.46)、変数変換(p.125)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まずは講義パートを読み進め、各単元の概念と計算手法を理解することから始めてください。その直後に該当する演習問題を解き、理解した内容を確実に定着させるという流れが効果的です。
1周目は講義をていねいに読んで理解することに注力し、演習問題も段階を追って進めてください。2周目以降は演習問題の繰り返しに重点を置き、計算の正確さと速度を高めていきます。本書で学んだ手法を過去問演習に活かす際は、対応する単元を意識しながら問題を解くことで、参考書と過去問の連携が強化されます。合格者の体験談にもあるように、分からない箇所が完全になくなるまで何度も繰り返すことが合格への道筋となります。
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
4周実施し、神大の桜井先生が書いた本として編入数学徹底研究と併用しながら、分からないところがなくなるまでやった。
神戸大学 経済学部 合格(2026年度) / 数学
注意点
本書の出版年については確認が必要ですが、編入数学の基本単元は大きく変わらないため、内容そのものの有効性は高く保たれています。ただし出版から時間が経っている場合は、最新の過去問傾向との照合を別途行うことをお勧めします。
本書は計算技能と理論理解のバランスを重視しているため、非常に短時間で仕上げることには向いていません。講義を丁寧に学び、演習を繰り返すという学習方法の性質上、ある程度の学習時間を覚悟する必要があります。また、本書だけで全ての分野を完全にカバーしているわけではないため、受験する大学の過去問で頻出の領域については、本書での学習終了後に補足的な参考書を用いるなどの対応も検討してください。







