物理のエッセンス [力学・波動] 五訂版 浜島 清利
大学編入の物理試験では、力学の基礎概念を組み合わせた複雑な問題が出題されます。特にエネルギー保存や運動量保存といった重要な法則を、状況に応じて正しく適用することが難しいと感じる受験生が多いです。本書は、こうした力学の根本的な考え方を整理し、入試頻出の論点を効率よく習得するのに役立ちます。
この本の位置づけ
本書は、高校物理の力学・波動の基礎から標準的な入試問題レベルまでをカバーしています。特に神戸大学・筑波大学・東京理科大学といった工学系および理学系の編入試験で繰り返し問われるエネルギー保存則、運動量保存則、円運動といった単元が充実しており、これらの大学を志望する受験生に適切な難度設定です。 本書は解説に重点を置き、公式の導き方や物理現象の本質を丁寧に説明している点が特徴です。類題が豊富に収録されているため、同じ概念を様々な角度から学べます。単なる問題集ではなく、物理的思考力を育てるテキストとして活用できます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入対策を始める初期段階(受験予定の1年前から8ヶ月前)で導入することをお勧めします。この時期に本書で力学の基本概念を整理しておくと、その後の過去問演習がスムーズに進みます。 もし導入が遅れて3ヶ月前になると、演習に時間を割くことができず、細かい概念の理解が不完全なまま過去問に進む危険があります。一方、早すぎる導入自体に問題はありませんが、内容を一度学んだだけでは忘れてしまうため、過去問演習に入る前に再度立ち戻る必要が生じます。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
物理
頻出テーマエネルギー保存、力のつり合い、反発係数、運動量保存、放物運動、エネルギー保存則
本書の該当ページ力のつり合い(p.17)、放物運動(p.12)、エネルギー保存(p.50)、最高点(p.77)
島根大学医学部
物理
頻出テーマ運動量保存則、運動量保存
本書の該当ページ運動量保存則(p.58)、運動量保存(p.58)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
本書は通読ではなく、自分の弱点に応じた単元選択で使うのが効果的です。最初に目次から「エネルギー保存」「運動量保存」「円運動」など、志望大学の過去問に頻出する単元を特定し、その章から学習を始めましょう。 各単元では、まず解説文を読んで概念を理解し、その直後に掲載されている練習問題に取り組みます。計算過程を省かず手を動かし、途中式を自分で再現することが重要です。 本書で基礎を固めた後は、志望大学の過去問に進み、実際の出題形式でこれらの概念がどう組み合わされるかを確認します。過去問で詰まった場合は、該当する単元に本書で立ち戻り、解説を読み直す往復学習が効果的です。
注意点
本書は五訂版であり、物理の基本法則は変わらないため版の古さは大きな問題ではありません。ただし、本書は高校物理の標準的な範囲に焦点を当てており、編入試験によっては応用的な単元(例えば、特殊な材質の摩擦や複雑な波動現象)が追加で必要になる場合があります。本書の内容だけで全ての対策が完結するわけではないため、過去問を見ながら不足分を補う参考書を併用してください。 波動単元も収録されていますが、編入試験の出題パターンによっては更に詳しい参考書の併用が必要になることもあります。志望大学の過去問分析を優先し、そこで頻出の論点が本書に十分に載っているか確認してから導入することをお勧めします。







