マーケティング戦略〔第6版〕 和田 充夫,恩藏 直人,三浦 俊彦
編入試験のマーケティング論や経営戦略論では、流通チャネル、製品ライフサイクル、消費者志向といった基礎概念がしばしば出題されます。ただし教科書的な定義だけでは、過去問で問われる具体的な戦略事例や企業の意思決定プロセスへの理解が不足しがちです。本書は、事業機会の選択から流通・製品・価格対応まで、マーケティング戦略の全体像を体系的に学べる標準的なテキストです。
この本の位置づけ
本書は、大学の経営学部・経済学部で使用される教科書レベルの内容であり、編入試験の対策用というより、試験で問われる理論的な背景を理解するための基礎固めに適しています。マーケティング論の初学者から、戦略的な思考が必要な受験生まで幅広く対応できます。
他の入試参考書と異なり、本書は受験対策専用ではなく、大学の講義で採用される学術的な教科書です。そのため、過去問に直結する演習問題は収録されていませんが、理論と事例を通じて「なぜそうなるのか」という根拠を深く理解できます。神奈川大学の経営学、名古屋大学の経営戦略論など、論述が求められる試験では、こうした理論的背景が解答の説得力を高めます。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
マーケティング論や経営戦略論が出題される受験生は、夏までに第1〜5章と第7〜9章を一読し、基本概念を押さえておくことをお勧めします。秋以降は過去問演習の合間に、苦手な単元(例:流通チャネル、製品ライフサイクル)を部分的に読み返すという使い方が効果的です。
導入が遅すぎると(秋以降に初めて読むと)、理論の定着に時間がかかり、過去問演習に十分な時間を確保できなくなります。一方、高校までの学習で経営学の基礎がない場合は、入門書で簡単な用語を先に確認してから本書に取り組むと、理解がスムーズです。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
近畿大学経営学部
経営学、キャリア・マネジメントに関する基礎
頻出テーマサービス・マーケティング、無形性、サービスの特性
本書の該当ページ無形性(p.297)、サービスの特性(p.297)、サービス・マーケティング(p.15)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
最初は第1章から第5章を順に読み、マーケティング戦略の全体像と意思決定のプロセスを把握します。その後、志望大学の出題傾向に合わせて、必要な章(例えば流通論が多い大学なら第7章、製品戦略が中心なら第8章)に絞って精読すると効率的です。
過去問を解く際は、問題で問われている概念(例:「成長期」「ステークホルダー」)を本書の該当ページで確認し、理論的な説明を自分の言葉で組み立てる練習をします。本書には図表が豊富に掲載されており、複雑な概念(例:成長ベクトル、カスタマー・ジャーニー)を視覚的に理解することで、論述の構成も立てやすくなります。
ノートに読みながら要点をまとめ、各章の重要な枠囲みや図解は何度も見返すようにしましょう。特に「流通チャネル」「製品ライフサイクルの4段階」「サービス・マーケティングの特性」は、複数の大学で繰り返し問われているため、丁寧に定着させることが重要です。
編入試験でよく問われる論点から入るなら、次の順で読むのが効率的です。
- p.33 第1章 事業機会の選択「市場の成長性」がここで扱われています
- p.47 第2章 事業領域の選択「企業アイデンティティ」がここで扱われています
- p.61 第3章 標的市場の選択「セグメント・マーケティング」がここで扱われています
- p.80 第4章 市場データ分析「電話調査」がここで扱われています
- p.111 第5章 消費者行動分析「ライフスタイル」がここで扱われています
- p.153 第7章 流通分析「外国モデル」がここで扱われています
- p.177 第8章 製品対応「新製品」がここで扱われています
- p.215 第9章 価格対応「需要の価格弾力性」がここで扱われています
注意点
本書は第6版(出版年が明記されていないため確認が必要)です。マーケティングの基本理論は時間とともに陳腐化しにくいものの、企業事例や統計データは古くなる可能性があります。最新の出版年を確認し、必要に応じて新しい版の購入を検討してください。
本書は学術的な教科書であり、編入試験の問題形式(空欄補充、論述、用語説明)に特化した対策本ではありません。理論を学んだ後は、必ず志望大学の過去問で「どのような角度で問われるのか」を確認し、本書の内容と過去問を結びつけて学習する必要があります。
また、本書の範囲外の論点(例:デジタルマーケティング、SNS活用、データ分析の最新手法)が出題される可能性もあります。過去問を見て、本書で扱われていない分野が繰り返し出題されている場合は、追加の参考資料の確保をお勧めします。







