すぐわかる線形代数 石村園子
線形代数は編入試験で頻出ですが、特に固有値や行列の対角化などの計算問題で失点する受験生が多いです。本書は、これらの重要概念を図解を交えて説明し、具体的な計算ステップに落とし込んでいるため、解法の流れを整理するのに役立ちます。高知大学、九州工業大学、筑波大学、近畿大学といった編入試験でも、この本が扱う論点が繰り返し出題されています。
この本の位置づけ
本書は『すぐわかる』というタイトルの通り、線形代数の基礎から応用まで、図や表を多用した入門的な構成になっています。線形代数が初めて、あるいは高校で学んでいない受験生を想定した、優しいレベル感の参考書です。
他の線形代数の参考書と比べると、厳密な証明より「なぜそうなるのか」を視覚的に理解させることに重点を置いています。編入試験で出題される固有値、対角化、逆行列、連立1次方程式といった実践的な計算技法を、丁寧な解説で身につけたい受験生に適しています。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
編入試験の数学対策を始める時点(大学1年の秋~2年の春)で、最初の導入教材として使うことをお勧めします。基礎概念を固めるため、過去問演習よりも前の段階で取り組むと効果的です。
もし導入を遅らせると、過去問で出題パターンに対応できず、計算ミスが増える可能性があります。逆に時間がある場合は、本書で全体像を把握した後、難度の高い問題集に進むステップを設けることで、より深い理解が期待できます。
ターゲット大学と対策できるテーマ
過去問の出題傾向を分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
数学生物
頻出テーマ対角化可能性、標準基底、合成写像、行列の階数、直線の方程式、正則行列
本書の該当ページ対角化可能性(p.230)、標準基底(p.190)、合成写像(p.190)、行列の階数(p.122)
数学物理
頻出テーマ対角化可能性、行列の階数、正則行列、成分表示、線形変換、行列の対角化
本書の該当ページ対角化可能性(p.230)、行列の階数(p.122)、正則行列(p.223)、成分表示(p.6)
お茶の水女子大学理学部
数学
頻出テーマ対角化可能性、合成写像、行列の階数、正則行列、成分表示、行列の対角化
本書の該当ページ対角化可能性(p.230)、合成写像(p.190)、行列の階数(p.122)、正則行列(p.223)
数学物理
頻出テーマベクトルの演算、行列の階数、成分表示、正則行列、行列の対角化、線形変換
本書の該当ページベクトルの演算(p.4)、行列の階数(p.122)、成分表示(p.6)、正則行列(p.223)
数学物理
頻出テーマ対角化可能性、成分表示、なす角、正則行列、行列の対角化、正規直交基底
本書の該当ページ対角化可能性(p.230)、成分表示(p.6)、なす角(p.200)、正則行列(p.223)
数学
頻出テーマ三角形の面積、正則行列、なす角、線形変換、スカラー倍、法線ベクトル
本書の該当ページ三角形の面積(p.6)、正則行列(p.223)、なす角(p.200)、線形変換(p.211)
電気通信大学情報理工学域
数学
頻出テーマケーリー・ハミルトンの定理、三角形の面積、行列の階数、正則行列、法線ベクトル、逆行列
本書の該当ページケーリー・ハミルトンの定理(p.48)、三角形の面積(p.6)、行列の階数(p.122)、正則行列(p.223)
福井大学工学部
数学
頻出テーマなす角、正則行列、行列の対角化、線形変換、行列の積、法線ベクトル
本書の該当ページなす角(p.200)、正則行列(p.223)、行列の対角化(p.230)、線形変換(p.211)
信州大学理学部
数学
頻出テーマ正則行列、線形変換、行列の対角化、正規直交基底、2次形式、対角化
本書の該当ページ正則行列(p.223)、線形変換(p.211)、行列の対角化(p.230)、正規直交基底(p.204)
岡山大学理学部
数学
頻出テーマ対角化可能性、行列の階数、正則行列、行列の対角化、線形変換、対角化
本書の該当ページ対角化可能性(p.230)、行列の階数(p.122)、正則行列(p.223)、行列の対角化(p.230)
数学
頻出テーマ正則行列、線形変換、行列の対角化、逆行列、正方行列、対角化
本書の該当ページ正則行列(p.223)、線形変換(p.211)、行列の対角化(p.230)、逆行列(p.100)
新潟大学理学部
数学
頻出テーマ正則行列、行列式の計算、線形変換、行列の積、逆行列、対角化
本書の該当ページ正則行列(p.223)、行列式の計算(p.82)、線形変換(p.211)、行列の積(p.36)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
本書を開いたら、各章の冒頭にある「ここで学ぶこと」で全体像をつかんでから、本文の説明と図を読み進めてください。固有値や対角化といった重要単元では、説明を読んだ直後に、本書に掲載されている練習問題に取り組み、その流れで計算手法を手で書いて覚えるようにしましょう。
高知大学や筑波大学の過去問を解く際は、この本の該当ページに立ち返って確認する使い方もできます。同次連立1次方程式や正則行列の判定など、試験に出題されやすい項目から優先的に演習し、その後、本書の章末問題で定着を確認するという往復学習が効果的です。
注意点
本書の出版年が古い可能性があるため、最新版であることを購入前に確認してください。また、本書は基礎から標準レベルの問題を中心としており、出題大学によっては、より難度の高い応用問題への対応が別途必要になる場合があります。
本書だけでは、大学ごとの過去問に特有の出題形式や、計算の複雑さに対応しきれないことも想定されます。本書で概念と基本的な計算法を習得した後、志望大学の過去問演習に移行し、不明な点があれば本書に立ち返るという使い分けをお勧めします。




