良問の風 物理 頻出・標準 入試問題集 三訂版 浜島 清利
編入試験の物理では、高校物理レベルの基礎概念を確実に使いこなせることが合否を分けます。特にエネルギー保存や円運動、電磁気など、大学の初等力学では扱わない分野が頻出なのです。本書は大学受験向けの参考書ですが、編入試験で繰り返し問われる論点を体系的に演習できるため、多くの編入合格者が活用しています。
この本の位置づけ
本書は高校物理の標準〜応用レベルを対象としており、編入受験生の中でも基礎が不安な方から、すでに大学物理を学んでいる方まで幅広く使えます。大学の講義ノートや教科書では高校物理を「復習」として扱わないため、体系的に学び直すのに適しています。
他の高校物理参考書と比べて、本書は編入試験で実際に問われやすい論点に重点を置いた「厳選された」良問が特徴です。また、微積を使わない高校流の解答が示されているため、微積版の解き方を自分で構築する練習にもなります。
いつどのタイミングの編入受験生におすすめか
入試対策の中盤から後期にかけて、すなわち編入試験まで6ヶ月以上ある時点での導入が目安です。早すぎると基礎的な概念整理に時間を取られますし、遅すぎると問題演習に十分な時間が確保できません。
合格者の例では、電磁気のみを5周した方、初等力学が難しすぎる場合に1周した後で専門的な参考書に移った方など、目的に応じた柔軟な使い方が報告されています。
ターゲット大学と対策できるテーマ
オンライン編入学院が保有する過去問データベースを分析し、本書の内容が実際の出題範囲と重なる大学・学部を抽出しました。「頻出テーマ」はその学部の過去問で繰り返し問われている論点のうち、本書で扱っているものです。
物理
頻出テーマエネルギー保存、エネルギー保存則、電気容量、円運動、最高点、放物運動
本書の該当ページエネルギー保存則(p.16)、円運動(p.32)、力のつり合い(p.27)、エネルギー保存(p.16)
近畿大学生物理工学部
物理
頻出テーマ等加速度運動、相対速度、運動量保存則、力のモーメント、内部エネルギー、クーロンの法則
本書の該当ページ運動量保存則(p.19)、内部エネルギー(p.41)、クーロンの法則(p.68)
弘前大学医学部
物理
頻出テーマ力のモーメント、コンデンサー、静電エネルギー、電気容量、弾性衝突、力学的エネルギー
本書の該当ページコンデンサー(p.86)、力学的エネルギー(p.18)、静電エネルギー(p.86)
香川大学医学部
物理学
頻出テーマ相対速度、弾性衝突、運動量保存、状態方程式
本書の該当ページ状態方程式(p.52)、運動量保存(p.19)、相対速度(p.23)
愛媛大学医学部
物理
頻出テーマ等加速度運動、β崩壊、半減期、電子の運動、ローレンツ力
本書の該当ページ電子の運動(p.117)、β崩壊(p.103)
※志望校の最新の募集要項と過去問は必ずご自身でご確認ください。
使い方
まず自分の志望大学の過去問を見て、どの分野(力学、熱、電磁気など)が頻出かを把握してから本書を開くことをお勧めします。その後、該当分野の問題を順番に解き、解答を確認する基本的な流れで進めてください。
重要なのは、微積を使わない高校流の解答に頼らず、大学で学ぶ微積版の解き方を同時に考えることです。合格者の例では、本書の解答をもとに「微積ではどう落とし込むか」をオリジナルで作成することで、大学レベルの理解に繋げていました。
過去問との往復も効果的です。大学別の過去問で同じ論点が問われているのを確認してから本書で類題演習をする、あるいは本書で学んだ解法を過去問で試すなど、両者を行き来させることで応用力が高まります。
この本を使った合格者の声
オンライン編入学院に寄せられた合格体験談から、本書を実際に使っていた受験生の記述を抜き出しました。
過去問から大学受験レベルの出題があることに気づき、電磁気範囲だけを5周周回。大学受験の参考書のため微積を使わない解答が載せてあるが、微積で落とし込む方法を考えながらオリジナル回答を作成した。
神戸大学 工学部 合格(2025年度) / 電磁気学
大学生の初等力学では難しすぎる範囲をカバーするために1周実施。その後、マセマの熱力学学習後にも良問の風で問題演習を1周行った。
大阪大学 基礎工学部 合格(2026年度) / 物理
注意点
本書は高校物理の参考書であり、編入試験特有の微積を使った解法を完全にカバーしていません。本書の解答方法をそのまま試験に使うのではなく、あくまで基礎概念の確認と演習用と位置づけることが大切です。
また、各大学の過去問に出現する「大学レベルの応用問題」には、本書だけでは対応しきれない場合があります。特に熱力学や電磁気で深い理解が必要な場合は、本書の後に専門的な参考書(微積を使った力学や熱力学テキストなど)に進むことをお勧めします。
もう一つの注意点として、高校物理の内容そのものに不安がある場合は、本書よりもやさしい基礎教科書から始めるべきです。「良問」という名の通り、一定の基礎理解があることを前提に作られています。







